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あらすじ
珍野家の飼い猫となった「吾輩」に名前はまだ無い。迷いネコとしてこの家に来たものの主人の一言でようやく吾輩の住処が決まったようだ。この家の主人は偏屈で胃が弱い教師だが、そこへ通ってくる元門下生や友人たちがまた風変わりなものばかりで、人間というのはつくづく不思議な生き物だと思う。そこで吾輩の目を通して、人間観察をしようと思うが、…。
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作品の舞台 |
円覚寺・・・理野陶然は、独仙に影響され円覚寺へ行きます。
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登場人物 |
吾輩 |
珍野家に迷いこみそのまま飼い猫となった。名前は無い。 |
珍野苦沙弥 |
珍野家の主人。偏屈な「文明中学校」の英語教師。胃が弱い。 |
細君 |
苦沙弥の妻。作品上、名前は出てこない。 |
珍野とん子 |
苦沙弥の長女。言葉の言い間違いが多い。 |
珍野すん子 |
苦沙弥の次女。琉球塗りの朱盆のような顔をしている。 |
珍野めん子 |
苦沙弥の三女。3歳。 |
おさん(御三) |
珍野家の下女。名前は「清」。埼玉出身。吾輩のことが嫌い。 |
三毛子 |
隣の家の飼い猫。吾輩が片想いをしている。 |
黒 |
車屋の猫。近所でも評判の乱暴ネコ。 |
白 |
近所に住む吾輩が尊敬するネコ。 |
迷亭 |
苦沙弥の友人。美学者。 |
水島 寒月 |
苦沙弥の元門下生。大学院に通う理学士。 |
多々良三平 |
苦沙弥の元門下生。ある会社の鉱山部に勤務。 |
K |
苦沙弥の元門下生。法学士。 |
金田 |
珍野家の近所に住む実業家。苦沙弥に嫌がらせをする。 |
金田 鼻子 |
金田の妻。作品上、名前は出てこないが、吾輩からは巨大な鍵鼻を持つため「鼻子」と呼ばれる。 |
金田 富子 |
金田の娘。母に似て傲慢。 |
越智 東風 |
寒月の友人。詩人。 |
鈴木籐十郎 |
苦沙弥、迷亭の学生時代の同級生。九州の炭鉱に勤務する工学士。。 |
八木 独仙 |
苦沙弥、迷亭の学生時代の同級生。哲学者。山羊のような長いひげを持つ。 |
理野 陶然 |
独仙の知人。 |
立町 老梅 |
独占の知人。 |
甘木 |
苦沙弥の主治医。 |
牧山 |
迷亭の叔父。漢学者。 |
古井武右衛門 |
文明中学校に通う中学2年生。 |
教師 |
落雲館中学校の教師。 |
八っちゃん |
車屋の子供。 |
泥棒 |
珍野家に侵入した泥棒。寒月に似ている。 |
吉田 虎蔵 |
浅草署日本堤分署の巡査。 |
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あらすじ
山中にある那古井の温泉場に滞在するため山道を歩いていた主人公は茶店に立ち寄った際、訪ねようとしている宿に出戻りの娘がいることを聞いた。そこで、主人公が若く美しいその娘・那美のことを村の人たちに訪ねると、「彼女は薄情」「彼女はおかしい」と悪い評判ばかりを耳にする…。
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作品の舞台 |
円覚寺・・・主人公は観海寺の石段の上で、昔行ったことのある円覚寺の石段でのエピソードを思い出します。
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登場人物 |
主人公 |
温泉場に逗留している絵描き。 |
志保田那美 |
那古井にある宿屋の娘。出戻り。 |
少女郎 |
宿屋の下女。 |
野武士 |
那美の前夫。 |
久一 |
那美の従弟。 |
大徹 |
那古井にある観海寺の和尚。 |
了念 |
観海寺の僧。 |
泰安 |
観海寺の僧。 |
親方 |
那古井の髪結床の亭主。 |
源兵衛 |
那古井に住む馬子。 |
婆さん |
山中の茶屋の婆さん。 |
秋 |
婆さんの娘。 |
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あらすじ
気性が荒い江戸っ子気質の坊っちゃんは、母の死後から父兄と不仲の間柄だったが、長く仕える下女の清が唯一の味方となって学生生活を過ごしていた。しかし父が病死し、兄から遺産を分けられると彼は物理学校に通い、卒業後その校長の紹介から四国にある旧制中学校の数学教師として赴任することになった・・・。
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作品の舞台 |
高徳院・・・2年前、坊っちゃんが鎌倉の大仏を見物した時に、車屋から親方に間違えられます。
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登場人物 |
坊っちゃん |
物語の主人公。気性が荒く、喧嘩っ早い性格。物理学校を卒業後、四国の旧制中学校の数学教師となる。 |
清 |
坊っちゃんの家の下女。坊っちゃんの母の死後、彼の母代わりとなり世話をする。 |
校長 |
旧制中学校の校長。大きな目をした狸のような風貌。事なかれ主義。呼び名は「狸」。 |
教頭 |
旧制中学校の教頭。常に赤いシャツを着ている。陰湿な性格。呼び名は「赤シャツ」。 |
堀田 |
旧制中学校の数学の主任教師。正義感が強い性格。会津出身。呼び名は「山嵐」。 |
古賀 |
旧制中学校の英語教師。お人好しで消極的な性格。呼び名は「うらなり」。 |
吉川 |
旧制中学校の画学教師。赤シャツの腰巾着。基本的に上に媚びる性格。呼び名は「野だいこ」。 |
漢学教師 |
旧制中学校の漢学教師。年配の教師。作中に本名・呼び名は出てこない。 |
博物教師 |
旧制中学校の博物教師。作中に本名・呼び名は出てこない。 |
歴史教師 |
旧制中学校の歴史教師。作中に本名・呼び名は出てこない。 |
川村 |
旧制中学校の書記。 |
遠山 |
赤シャツと交際している令嬢。元・うらなりの婚約者。呼び名は「マドンナ」。 |
いか銀 |
山嵐に紹介された坊っちゃんの最初の下宿先の大家。骨董商。 |
萩野 |
うらなりから紹介された坊っちゃんの二度目の下宿先の大家。上品な老夫婦。 |
小鈴 |
芸者。 |
浅井 民 |
坊っちゃんの小学校の時の同級生。百姓の娘。 |
勘太郎 |
坊っちゃん宅の隣に住む質屋「山城屋」の息子。坊っちゃんの2歳年上。 |
兼公 |
坊っちゃんの知り合い。大工。 |
茂作 |
坊っちゃんの知り合い。百姓。 |
古川 |
坊っちゃんの知り合い。百姓。 |
父 |
坊っちゃんの父。兄をかわいがる。途中に卒中で死亡する。 |
兄 |
坊っちゃんの兄。商業高校を出て、九州へ移住する。坊っちゃんとは正反対の性格。 |
甥 |
坊っちゃんの甥。裁判所の書記。 |
母 |
坊っちゃんの母。病死する。 |
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あらすじ
役所勤めの野中宗助は妻の御米とひっそりと暮らしていた。御米は宗助のかつての親友だった安井の内縁の妻だったが、彼に何も告げず駆け落ちをして夫婦になったため、その罪を背負いながら日々暮らしている。そんなある日、宗助宅の大家・坂井のもとに安井が訪れることが宗助の耳に入り、彼は思い悩むこととなった…。
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作品の舞台 |
鎌倉・・・過去の呵責に思い悩んだ宗助は、鎌倉の禅寺に助けを求めます。
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登場人物 |
野中 宗助 |
役所勤めの公務員。神経衰弱に悩んでいる。 |
御米 |
宗助の妻。 |
小六 |
宗助の弟。大学生。 |
清 |
宗助宅の下女。 |
安井 |
宗助の大学時代の親友。福井生まれ。御米は元・安井の内縁の妻。現在消息不明。 |
坂井 |
宗助宅の大家。実業家。宗助宅の隣の崖上の家に住む。 |
雪子 |
坂井の娘。 |
東作 |
坂井の息子。 |
佐伯 |
宗助の叔父。 |
妻 |
佐伯の妻。 |
安之助 |
佐伯の息子。 |
父 |
宗助・小六の父。宗助が大学2年の時に死亡。 |
母 |
宗助・小六の母。父の死の6年前に死亡。 |
杉原 |
宗助の友人。大蔵省の役人。 |
本多 |
宗助と同じく坂井の貸家を借りている隠居夫婦。 |
釈 宜道 |
鎌倉の禅寺「一窓庵」の庵主。 |
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あらすじ
明治天皇の大葬と乃木希典の殉死が報道される前々日、細かい糠雨が降る中、漱石は友人たちと鎌倉を訪れた…。
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作品の舞台 |
円覚寺・・・漱石たちはS禅師を訪ねます。
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登場人物 |
夏目 漱石 |
物語の語り手。 |
O |
漱石の友人。 |
Y |
漱石の友人。 |
S禅師 |
円覚寺の老師。 |
車夫 |
人力車の車夫。 |
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あらすじ
千代子は市蔵にその気もあって結婚もしたがっているのだが、なぜか市蔵は彼女とのことに二の足を踏んでいるのだ。何故かと聞いても「自分と結婚すると、必ず失望させることになる」というのだ…。
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作品の舞台 |
材木座・・・田口家の人々は他家の邸を借りて避暑に行きます。
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登場人物 |
須永 市蔵 |
小川町(現・千代田区)に住む内向的な性格の青年。物語の語り手。 |
田川敬太郎 |
本郷(現・文京区)に下宿する市蔵の大学時代の友人。 |
母 |
市蔵の母。小川町で市蔵と仲働きと下女の4人で暮らしている。 |
須永 妙子 |
市蔵の亡妹。ジフテリアで病死。 |
仲働き |
須永家の仲働き。 |
作 |
須永家の下女。 |
田口 要作 |
市蔵の母の妹の夫。市蔵の母の義弟。市蔵の叔父。実業家。 |
田口千代子 |
要作の長女。市蔵に想いを寄せている。 |
田口百代子 |
要作の次女。 |
田口 吾一 |
要作の長男。千代子・百代子の弟。 |
松本 恒三 |
市蔵の母・要作の妻の弟。矢来町(現・新宿区)に住む。 |
佐伯 |
松本家の書生。 |
高木 秋子 |
百代子の学友。 |
高木 |
秋子の兄。 |
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あらすじ
二郎は友人・三沢と落ち合うために大阪にある遠縁の岡田宅を訪ねた。岡田夫妻は二郎に良くしてくれるのだが、いくら待っても三沢は姿を見せない。すると彼は胃腸を壊し入院していたというので、二郎は病院へ駆けつけるがそこで気になる女の姿を目にする…。
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作品の舞台 |
紅ガ谷・・・Hと一郎は、Hの親戚が持つ小さな別荘に数日間滞在します。
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登場人物 |
長野 二郎 |
番町(現・千代田区)で暮らす主人公。後に有楽町(現・千代田区)で下宿。 |
長野 一郎 |
二郎の兄。番町の実家の二階の書斎に引きこもり研究を続ける学者。感情家。 |
長野 直 |
一郎の妻。二郎とは結婚前からの知り合いなので、一郎は二郎と直の仲を疑っている。 |
長野 芳江 |
一郎と直の長女。 |
父 |
一郎・二郎の父。官省に勤務。 |
長野 綱 |
一郎・二郎の母。 |
長野 重 |
一郎・二郎の妹。 |
平吉 |
長野家の下男。 |
貞 |
長野家の下女。綱のお気に入り。大阪に住む佐野と結婚予定。 |
三沢 |
二郎の友人。 |
妻 |
三沢の妻。宮内省に関係ある役人の娘。 |
母 |
三沢の母。 |
岡田 |
大阪・天下茶屋に住む綱の遠縁。保険会社に勤務。元・長野家の食客。 |
岡田 兼 |
岡田の妻。二郎の父の同僚の娘。 |
佐野 |
大阪・浜寺に住む貞の結婚相手。金縁メガネでおでこが広い。 |
H |
一郎の友人で同僚。三沢の友人。 |
看護婦 |
三沢が入院する病院の看護婦。 |
A |
病院の看護助手。 |
女 |
病院の入院患者。芸者屋の娘分。 |
友人 |
父の友人。貴族院議員。 |
友人 |
父の友人。会社の監査役。 |
B |
二郎の勤務先になる有楽町の事務所の所長。Hの叔父。 |
K |
一郎の知人。 |
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あらすじ
友人に誘われ夏期休暇に鎌倉へやってきた書生の私は、海水浴に訪れた由比ガ浜で「先生」と出会った。そして独特な思想をもち、人付き合いが苦手な先生にわたしは興味を惹かれ、東京に戻ってからも先生の家に出入りするようになった…。
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作品の舞台 |
由比ガ浜・・・海水浴に出かけた私は、先生と出会います。
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登場人物 |
私 |
書生。田舎から上京した恋愛経験のない純朴な青年。 |
先生 |
東京で妻とひっそりと暮らす風変わりな男。新潟生まれ。毎月、雑司ヶ谷へ墓参に行く。 |
静 |
先生の妻。先生とは書生時代からの付き合い。父は鳥取生まれ、母は市ヶ谷生まれ。 |
下女 |
先生宅の下女。 |
奥さん |
静の母。先生が書生時代の下宿先の大家。戦没軍人の妻。故人。 |
K |
先生と同郷の友人。浄土真宗のお寺の次男坊。専攻は違うが同じ大学に通う。先生の勧めで下宿生活を共にする。 |
父 |
私の父。郷里で暮らす。腎臓を患っている。 |
光 |
私の母。郷里で暮らす。 |
兄 |
私の兄。九州で暮らす。 |
妹 |
私の妹。他国で暮らす。 |
叔父 |
先生の亡父の弟。先生の親代わり。事業家。元県議。 |
従妹 |
先生の従妹。叔父は先生と従妹を結婚させようとしていたが、うまくいかなかった。 |
作さん |
近所に住む父の友人。 |
小供 |
先生と私が散歩中に出会う子供。作品中の記述は「小供」。 |
兄 |
Kの兄。寺を継いでいる。 |
姉 |
Kの姉。他家へ嫁いでいる。 |
友達 |
私の友人。書生。資産家の息子。私を鎌倉へ誘うが、身内の事情で実家へ戻ることになる。 |
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