永井龍男の作品(その3)
永井龍男の作品です。鎌倉文学館の初代館長をつとめ、住居も雪ノ下にありました。

作品名 発行年
竹藪の前 1946
小美術館で 1955
市民の気風 1961
鎌倉の音 1964
襟巻 1965
ブルフロッグ大全 1965
雨が降るまで 1965
冬の日 1965
転勤余話 1966
村松梢風 1966
久生十蘭 1966
雪のあとさき 1968
くちなしの実 1969
日ごよみ 1969
とかげの尾 1972
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竹藪の前 永井龍男 講談社
あらすじ
 戦況はますます悪くなり、寺田が暮らす鎌倉でも共同の防空壕に入ることも増えてきている。余裕のある住民たちは続々と他県へ疎開をしているが、寺田の町内会の者たちは何人も残ったままだった。そこで町内会長の大谷は住人たちと会合を開くのだが…。

 作品の舞台
 二階堂・・・寺田たちが暮らしています。
 登場人物
寺田 鎌倉・二階堂地区に住む会社員。新橋に勤務。
寺田の妻。
長女 寺田の長女。国民学校2年生。
次女 寺田の次女。来年就学。
大谷 寺田が住む地域の町内会長。寺田の囲碁仲間。
大谷の妻。
同じ町内会の住人。画家。
山原 同じ町内会の住人。ベルリン駐在の外交官。
山原夫人 同じ町内会の住人。山原の妻。
四谷夫人 同じ町内会の住人。出征軍人の妻。
橋中 同じ町内会の住人。横浜で絹を扱う実業家。
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小美術館で 永井龍男 講談社
あらすじ
 私は八幡宮の境内にある近代美術館へ日本の古陶器展を観に行った。そして展示を見た後、いつもどおり階下の喫茶室に寄るのだが、今日は老婦人スタッフの2人が不機嫌な顔をしている。どうやら若い未亡人スタッフが常連客のジェントルマンといい関係になって、仕事に支障をきたしているようなのだ…。

 作品の舞台
 鶴岡八幡宮・・・境内にある神川県立近代美術館鎌倉館へ行きます。
 登場人物
鎌倉で暮らす物語の語り手。
水野 近代美術館内にある喫茶室のスタッフ。若い未亡人。32歳。
老婦人A 喫茶室のスタッフ。老婦人。
老婦人B 喫茶室のスタッフ。老婦人。
ジェントルマン 喫茶室の常連客。水野の求婚者。
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市民の気風 永井龍男 講談社
あらすじ
 ここ3~4年の鎌倉はやたらと道ができる、バスが通る、家が建つとそんなことばかりだ。自由で勝手で他人のことなんか気にしない。これが鎌倉市民の気風になろうとしているのだ…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・市民の気風が変わろうとしています。。
 登場人物
永井 龍男 物語の語り手。雪ノ下に住む小説家。
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鎌倉の音 永井龍男 講談社
あらすじ
 ある夏の夕方、家の近所で蝉がそれぞれの受け持ち時間に応じて百家争鳴している。一日中合唱しているとかえって鳴き声が耳に入らなくなるが、それが何かの拍子で急に冴えて聞こえたりするのだ…。

 作品の舞台
 雪ノ下・・・永井龍男邸があります。
 登場人物
永井 龍男 物語の語り手。雪ノ下に住む小説家。
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襟巻 永井龍男 講談社
あらすじ
 鎌倉・雪ノ下にある清泉侍女修道院の炊事場から飛んだ火の粉が隣接する日本家屋の茅葺き屋根に燃え移り大火事となる事件がおきた。幸い隣接する学校・修道院施設に被害はなかったが、周辺の山や家屋に被害が出てしまった。焼失した日本家屋は修道院のもとの地主が住んでいた古い邸宅で庭に咲く古梅がきれいで地元では有名な場所だった…。

 作品の舞台
 雪ノ下・・・修道院が火元となる火事がおきます。
 二階堂・・・児玉久子宅も被害に遭います。
 登場人物
雪ノ下の住人。10年前に妻と死別。
息子 私の息子。階下に同居。
息子の妻。階下に同居。
エルネステーナ・ラマリオ 雪ノ下にある清泉侍女修道院のスペイン人院長。
児玉 久子 二階堂の住人。火事の二次被害に遭う。
神田 清泉修道院の土地のもとの地主。
かみさん 近所の薬局の奥さん。
お婆さん 近所の煙草屋の婆さん。
爺さん 近所に住む爺さん。
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ブルフロッグ大全 永井龍男 講談社
あらすじ
 今年もまた梅雨時に現れるあいつらがやってきた。それは食用ガエルたちだ。昔の滑川は蛍や鮎がいたのだが、あいつらが来だしてからは姿も見なくなり、さらに川から這い上がって近くにあるため池に住みついては大きくな声で鳴くのだ。そこで私は馴染みの植木屋・安井にため池のかい掘りを頼むことにした…。

 作品の舞台
 滑川・・・3年前の集中豪雨で川の水があふれました。
 登場人物
鎌倉に住む男性。
私の妻。
私の娘。
安井 馴染みの植木屋。元・理髪師。
佐藤 垢石 随筆家。釣りの名人。
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雨が降るまで 永井龍男 講談社
あらすじ
 初孫がつかまり立ちを始めるようになった頃、妻から友人の映画俳優Sの訃報を知らされた。後部座席に寝ていたSの車が接触事故をおこしたことによるものだった。早速私は大船にあるSの家に向かうと未亡人となったSの妻が迎えてくれた…。

 作品の舞台
 大船・・・私はSの家に駆けつけます。
 登場人物
鎌倉に住む男性。
私の妻。
X子 私の長女。孫の母。
次女 私の次女。
私の孫。1歳。
著名な映画俳優。享年36歳。
Sの妻。35歳。
女性 喫茶室の女給。
男性A 私より3つ年上の男性。
男性B 私より5つ年下の男性。
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冬の日 永井龍男 講談社
あらすじ
 2年前に出産したばかりの一人娘を失い、鎌倉で一人暮らしをする登利。彼女の家には今でも娘の夫・佐伯が孫を連れてたびたび遊びに来てくれている…。

 作品の舞台
 鶴岡八幡宮・・・進藤は八幡宮の境内にある国宝館や美術館を訪ねます。
 登場人物
登利 鎌倉で一人暮らしをする婦人。44歳。
登利の亡娘。2年前に死亡。
佐伯 亡娘の夫。30歳。大学講師。
登利の孫。佐伯の娘。
進藤 佐伯の友人。大学講師。
登利の亡夫。疎開先で死亡。
親父 馴染みの畳屋の親方。
息子 親父の息子。畳屋を手伝う。
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転勤余話 永井龍男 講談社
あらすじ
 保土ヶ谷の団地に住む娘の夫が大阪に転勤することになった。そして妻と幼児も連れていくのだが、大阪の家が狭いということで、娘の家にあったテーブルセット一式を鎌倉の我が家に置いていくことになった。しかし娘の家から運んできた運送屋は運送料を5000円もとっていったため、私は妻や娘に怒ったのだが、実は私の怒りはそれだけではなかった…。

 作品の舞台
 雪ノ下・・・永井龍男邸があります。
 登場人物
永井 龍男 物語の語り手。雪ノ下に住む小説家。
龍男の妻。
龍男の娘。横浜市保土ヶ谷に嫁ぐ。
娘の夫。会社員。大阪に転勤が決まる。
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村松梢風 永井龍男 講談社
あらすじ
 文筆家で愛猫家といえば大佛次郎といわれるが、実はそれにも劣らないほどの愛猫家に村松梢風の名前が挙げられる…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・魚屋は村松家の猫に月数万円分の魚を届けます。
 登場人物
永井 龍男 物語の語り手。雪ノ下に住む小説家。
村松 梢風 鎌倉に住む文士仲間。愛猫家。
大佛 次郎 鎌倉に住む文士仲間。愛猫家。
久米正雄 鎌倉に住む文士仲間。
小島政二郎 鎌倉に住む文士仲間。
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久生十蘭 永井龍男 講談社
あらすじ
 私と同年代の文士仲間がここ5~6年の間に次々と他界し、街中を歩いているとその未亡人と出くわすようになった。文士仲間の久生十蘭も亡くなる2年前ぐらいに麻雀で知り合った。彼は作風には癖があるが、人物は夫婦そろって実に健全だった…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・街中では文士仲間の未亡人と出くわすことが増えました。
 登場人物
永井 龍男 物語の語り手。雪ノ下に住む小説家。
久生 十蘭 鎌倉に住む文士仲間。
高見  順 鎌倉に住む文士仲間。
神西  清 鎌倉に住む文士仲間。
山川 方夫 鎌倉に住む文士仲間。
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雪のあとさき 永井龍男 講談社
あらすじ
 我が家から散歩に出てすぐのところに鶴岡八幡宮と鎌倉宮という2つの社があるが、どちらも朝晩に号鼓を打ち鳴らす。朝の6時にも鳴るのだが、その音が地を伝って鳴り響く真冬の朝は、降霜が厳しいのだ…。

 作品の舞台
 鶴岡八幡宮・・・朝晩に号鼓が打ち鳴らされます。
 鎌倉宮・・・朝晩に号鼓が打ち鳴らされます。
 登場人物
永井 龍男 物語の語り手。雪ノ下に住む小説家。
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くちなしの実 永井龍男 講談社
あらすじ
 晩秋になると我が家の周りにはあかね色に輝くくちなしの実で彩られる。特に今年は樹々にたくさんの実が付き、越年して2月頃まで枝から離れずにいる。そこで今までこんな年があったかを確認するために、書き溜めている日記を読み返してみるのだが…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・私の家があります。
 登場人物
鎌倉に住む男性。
私の妻。
私の友人。私より一周り年下の若い画家。
女性 Aの連れ。22歳。
かみさん 馴染みの蕎麦屋の奥さん。
蕎麦屋の客。
蕎麦屋の客。
友人 私の友人。
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日ごよみ 永井龍男 講談社
あらすじ
 私は訪ねてきた友人から靜浦が肝臓がんの転移がすすみ、幾ばくも無い命であることを知らされた。靜浦は親友ほどではないが気になる友人で、口舌が辛辣なため仲間内でも距離を置かれることが多かった。しかしそんな彼でも心配だったため、私は療養先を教えてもらうのだが…。

 作品の舞台
 由比ガ浜・・・何年か前の夏に大腸菌騒ぎがおこり、記事を書いた新聞記者が叩かれました。
 登場人物
鎌倉に住む男性。
私の妻。
長女 私の長女。他家へ嫁ぐ。
次女 私の次女。私と同居。
友人 私の友人。54歳。
静浦 私の友人。56歳。肝臓がんで入院中。
植木屋 庭の手入れをする馴染みの親方。
弟子 植木屋の弟子。
婆さん 逗子に住む92歳の老婆。徘徊したまま10日間ほど行方不明。
絵描き 植木屋の近くに住む若い画家。大島行きのフェリーから投身自殺。
かみさん 通りにある肉屋の奥さん。
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とかげの尾 永井龍男 講談社
あらすじ
 今日も釣り仲間の西田と米山は釣り糸を垂れていたが、一向に釣果が出ない。そこで二人は海釣りをやめ、馴染みの釣り堀で再戦することになった…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・釣り堀には鎌倉に住む釣り好きたちも足を運びます。
 登場人物
西田 釣り好きの老人。
米山 西田の釣り仲間。元・官僚。
米山の妻。
釣り堀の常連客。米山の妻と同年代の女性。
主人 逗子にある釣り堀の主人。
宗治 主人の甥。
運転手 米山家の運転手。