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あらすじ
市内に散歩に出たAはその途中で進駐軍用のお土産物屋に顔を出した。そこで馴染みの店主と話していると、店の常連客・東明寺のL夫人と出会った。海外文学について優雅に語る夫人だったが、店主の話によると実生活では夫が失踪し幼い子供2人と暮らしているというのだ…。
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作品の舞台 |
桜ヶ谷(架空の地名)・・・Aの家、千野山邸があります。
東明寺(架空の地名)・・・L夫人の大邸宅があります。
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登場人物 |
A |
鎌倉市桜ヶ谷に住む翻訳家。 |
鹿島 |
宝石・象牙細工などを扱う進駐軍用のお土産物屋の店主。 |
L夫人 |
鎌倉市東明寺の大邸宅に住む婦人。27歳。駅前の喫茶「ぺロケ」の常連。 |
女の子 |
L夫人の亡兄の遺児。10歳。兄は戦死。 |
幼児 |
L夫人の実子。昨年生まれたばかり。1歳。 |
夫 |
L夫人の夫。失踪中。 |
千野山 |
Aの家の近所の大邸宅に住むL夫人の知人。 |
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あらすじ
同窓が経営する横浜のキャバレーへ先輩の阿谷取と行った浦島太郎は、続いて鎌倉にある「未亡人クラブ」に連れていかれた。そのクラブは大船駅から車で送られるため、市内のどこにあるかもわからず店も異次元の魅力にあふれる雰囲気だった…。
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作品の舞台 |
江ノ電・・・浦島太郎宅は江ノ電沿線にあります。
大船・・・太郎と阿谷取は、駅から車で「未亡人クラブ」に向かいます。
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登場人物 |
浦島 太郎 |
鎌倉の大邸宅の離れを借りて暮らす会社員。33歳。 |
浦島 花子 |
太郎の妻。26歳。 |
阿谷取 |
逗子市に住む太郎の大学の先輩。実業家。 |
糸引 |
太郎の大学の同窓。横浜にあるキャバレーの支配人。 |
糸引夫人 |
糸引の妻。キャバレーの女給の監督役。 |
大蔵 |
阿谷取の友人。未亡人クラブの常連。 |
夫人 |
花子の友人。 |
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あらすじ
私たち夫婦は6~7年前から借りていた貸家の大家から、大連から帰ってくる親戚が住むため出ていってほしいと言われてしまった。そのタイミングで失職もしてしまったため、私たちは安い貸家の物件探しを始めた。すると市内雪ノ下の物件へ行った際に、私は白い肌が印象的なきれいな女性と出会った…。
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作品の舞台 |
鎌倉・・・私が住んでいる貸家があります。
雪ノ下・・・貸家物件を見に行きます。
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登場人物 |
私 |
著述業者。会社を辞めたばかり。 |
妻 |
私の妻。 |
家主 |
貸家の家主。 |
女 |
貸家物件を探す白い肌の婦人。 |
早瀬 |
妻の友人。 |
巡査 |
市内地域を巡回する巡査。 |
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あらすじ
都内の酒場の女将・真津江は体を壊し、逗子の山寄りにある離れを借りて静養することになった…。
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作品の舞台 |
坂ノ下・・・叔母が抱える芸妓たちを別荘で遊ばせます。
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登場人物 |
真津江 |
都内の酒場の女将。元・新橋芸者。逗子の山寄りにある離れで静養する。 |
婆や |
真津江の世話をする婆や。 |
叔母 |
新橋芸者の置屋の女将。真津江の叔母。坂ノ下に別荘を持つ。 |
実業家 |
真津江のパトロン。故人。鵠沼に別荘を持つ。 |
仙吉 |
鵠沼に住む漁師の息子。実業家の釣り船の船頭。 |
兄 |
仙吉の兄。ところてん屋の主人。 |
長男 |
母屋に住む大家の長男。11歳。 |
長女 |
母屋に住む大家の長女。7歳。 |
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あらすじ
元女給の世津子は夫の大村が出張中に、元勤め仲間や玉枝や後輩女給の英子・由美を呼んで光明寺で行われるお十夜法要の縁日へ行こうと計画した。ただ由美だけは野暮用があって終電で鎌倉へやって来た。由美が遅れてやってきた理由。そのことは世津子以外の三人は知っているようなのだが…。
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作品の舞台 |
海岸橋・・・大村宅があります。
光明寺・・・世津子たちはお十夜法要の縁日へ行きます。
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登場人物 |
大村世津子 |
大村の妻。元・銀座のキャバレーの女給。 |
大村 |
世津子の夫。会社員。 |
玉枝 |
世津子の元同僚。キャバレーの女給。 |
英子 |
世津子の知人。世津子が退職後に入店した若い女給。 |
由美 |
世津子の知人。世津子が退職後に入店した若い女給。 |
千田 |
キャバレー「メリッタ」のマネージャー。 |
千田夫人 |
千田の妻。元・ダンサー。 |
マダム |
キャバレー「アルカス」のマダム。 |
婆や |
大村家の婆や。 |
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あらすじ
老人が知り合いの結婚式の出席し、その後旧友の家に呼ばれ酒宴を楽しんだが、すっかり時間を忘れてしまいようやく終電の横須賀行きに乗ることができた。すると途中の横浜駅で乗り込んできた若い女性に見覚えがあった。朝、式へ行くときにホームで見かけた女性だ。どうやら水平に言い寄られ逃げて乗り込んできた様子だった…。
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登場人物 |
老人 |
鎌倉市二階堂に住む老紳士。 |
夫人 |
老人の妻。 |
娘 |
鎌倉市に住む若い女性。18歳。 |
姉 |
娘の姉。娘を駅に迎えに来る。 |
旧友 |
老人の旧友。 |
息子 |
旧友の息子。 |
男 |
横須賀線の乗客。横須賀市田浦に住む職人風の鳥打帽の男。 |
黒人 |
横須賀線の乗客。 |
水兵 |
横浜駅で娘に言い寄った水兵。 |
息子 |
老人の友人の息子。農科の学生。 |
運転手 |
トラック運転手。 |
助手 |
トラック助手。 |
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あらすじ
社宅暮らしの真津江は、1ヶ月前から夫が久里浜の療養所で静養中のため淋しい思いをしながら暮らしていた。先日出会った同窓の友人の兄に心もときめき新たな恋の予感も感じていた。そんなある日、同じ社宅に暮らす子どもが空き部屋に放置されていた大きな金庫に閉じ込められる事件がおきてしまった…。
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作品の舞台 |
鎌倉・・・真津江が働く美容室があります。
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登場人物 |
真津江 |
鎌倉にある美容室で働く美容師。夫の会社の社宅アパートで暮らす。 |
夫 |
真津江の夫。久里浜にある療養所で静養入院中。 |
真下東一郎 |
同じ社宅の隣人。32歳。夫の3~4年先輩社員。 |
妻 |
東一郎の妻。男と駆け落ちして失踪中。 |
真下新之助 |
東一郎の長男。6歳。 |
次男 |
東一郎の次男。4歳。 |
三村夫人 |
同じ社宅の階下に住む夫人。 |
三村 咲子 |
三村夫人の長女。5歳。 |
赤ん坊 |
三村夫人の長男。乳飲み子。 |
喜久雄 |
同じ社宅に住む小学6年生。 |
前田 |
同じ社宅の住人。 |
同窓生 |
真津江の同窓。子持ちの主婦。 |
兄 |
同窓生の兄。都内に通う会社員。真津江の愛人。 |
洗濯屋 |
社宅に御用聞きに来る洗濯屋。 |
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あらすじ
新橋の芸能事務所「市民演芸社」に勤める南部は、名古屋で体の具合が悪くなった浪曲師・甕丸の代演をお願いするため、世田谷にある浪曲師・小典膳の自宅に向かった。しかし自宅へ向かうと彼の妻が不在を報せてくれた。どうやら彼は妾宅にいるようなのだ。そこで時間が間に合わないと思った彼は、小典膳が寝台列車に乗車する駅に向かった…。
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作品の舞台 |
材木座・・・南部は小典膳の使いで、彼のご贔屓筋の伊田邸へ向かいます。
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登場人物 |
南部 |
新橋にある芸能事務所「市民生活社」の社員。 |
妻 |
南部の妻。妊娠7か月。 |
社長 |
「市民生活社」社長。 |
社員 |
「市民生活社」の若い社員。南部の同僚。 |
甕丸 |
事務所と契約する浪曲師。 |
小典膳 |
事務所と契約する浪曲師。 |
花柳 |
事務所と契約する舞踏家。 |
小しん |
下谷に住む小典膳の妾。元・伊田の妾。 |
妻 |
世田谷の自邸に住む小典膳の妻。 |
伊田 |
鎌倉市材木座に住む小典膳のご贔屓筋。政界の黒幕で巨大な権力を持つ。 |
笠原 |
伊田の執事。 |
女中 |
伊田邸の女中。 |
三遊舎文調 |
有名な落語家。 |
番頭 |
文調付きの番頭。 |
天龍斎伯天 |
有名な講談師。 |
大利根 |
代議士。 |
巡査 |
鎌倉署の巡査。 |
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あらすじ
挿絵画家の三上律子は、江ノ島でスケッチを終えて江ノ電で鎌倉へ移動する途中、長谷を過ぎたあたりで家の窓から見えた女の姿に記憶があった。それは雑誌社の忘年会で熱海へ行った時、律子が部屋を間違えて入った時に見かけた男女だった。しかし、電車から見えた彼女の家には、全く風貌が違う男が一緒にいるのだ…。
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作品の舞台 |
雪ノ下・・・八幡宮の奥に三上律子宅があります。
長谷・・・女の家があります。
江ノ電・・・律子は江ノ島から鎌倉へ江ノ電で移動します。
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登場人物 |
三上 律子 |
鎌倉市雪ノ下に住む雑誌の挿絵画家。26歳。 |
母 |
律子の母。娘と二人暮らし。 |
女 |
長谷あたりに住む女。 |
男 |
女より年上の亭主。 |
男 |
熱海で女と泊った男。愛人。 |
女社員 |
雑誌社の女社員。熱海の忘年会で同宿の作家(清水鳳子)が不在となったため、律子と同じ部屋に泊まる。 |
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あらすじ
熱海での忘年会で律子と同じ部屋に泊まる予定だった女流作家の清水鳳子は、彼女がホテルで見かけた不倫騒動の話を聴き小説のネタにしようと思っていた…。
【『スケッチ・ブック』の続編として描かれた作品】
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作品の舞台 |
雪ノ下・・・八幡宮の奥に三上律子宅があります。
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登場人物 |
三上 律子 |
鎌倉市雪ノ下に住む雑誌の挿絵画家。26歳。母と二人暮らし。 |
清水 鳳子 |
律子の友人。女流作家。 |
金松 |
雑誌社の鳳子編集担当。 |
娘 |
鳳子の娘。高校1年生。祖父母の家で暮らす。 |
芝野 |
鳳子の友人。現代日本文学の研究者。 |
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あらすじ
定年退職から2年が経ち、鵠沼に住む松前寿一郎は妻・郁子と共に子育てを終え悠々自適な生活を送っていた。しかし近所に住む大学の先輩で元上司の植野仙也が、度々松前家を訪ねては欲の塊のような言動や行動をとり、寿一郎に先輩風を吹かせて振り回すようなことをするのだった…。
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作品の舞台 |
鎌倉・・・寿一郎が30年行きつけの床屋があります。
和田塚・・・木田が経営する「市民生活社」があります。
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登場人物 |
松前寿一郎 |
藤沢市鵠沼に住む元「三本木商事」営業部副部長。定年退職から2年。無駄なことはしない性格。 |
松前 郁子 |
寿一郎の妻。大学教授の娘でしっかり者。夫の定年を機に着物のセールスを始める。 |
長男 |
寿一郎の長男。福岡に住む会社員。大学ではヨット部所属。 |
長女 |
寿一郎の長女。茅ヶ崎に嫁ぐ。 |
父 |
寿一郎の亡父。財閥の大番頭格。 |
清 |
寿一郎の甥。名古屋から上京した大学1年生。松前家へ下宿するが後に東京へ引っ越す。 |
鷺村夫人 |
長唄の師匠。元・寿一郎の馴染の赤坂芸者。 |
鷺村 |
鷺村夫人の夫。日本舞踊の音楽担当(地方【じかた】)。 |
植野 仙也 |
松前家の近所に住む寿一郎の大学の2年先輩で元上司。あだ名は「エゴ仙」。寿一郎に対しては上から目線。 |
娘 |
植野の娘。 |
夫 |
娘の夫。「A商事」に勤める会社員。あやめの母を自動車で轢いてしまう。 |
甚太郎 |
松前家の隣人。弁護士上がりのご隠居。 |
新郎 |
松前家の貸家に入った新郎。 |
祐子 |
新郎の新妻。大家の妻のことを良く思っていない。 |
父 |
祐子の父。会社の重役。 |
専務 |
祐子の父の元部下。蒲郡市にあるホテルの専務。 |
太田 |
松前家に出入りの大工。 |
床屋 |
鎌倉駅近くにある寿一郎が30年行きつけの床屋の主人。 |
息子 |
床屋の息子。40代。家業を手伝う。 |
夫人 |
郁子の仕事上のパートナー兼運転手。30代。 |
南 |
松前家の近所に住む有名な小説家。あやめの媒酌人。 |
香里あやめ |
女優。 |
父 |
あやめの父。 |
母 |
あやめの母。 |
大峯 |
国会議員で大臣職。寿一郎や鷺村夫人の昔馴染み。元・三流新聞の経済部記者。 |
佐武田 |
国府津に住む元「三本木商事」重役。子爵。 |
未亡人 |
郁子の茶道の師匠。海軍少将の未亡人。 |
上山 |
鷺村の弟子。「ホープ食品㈱」宣伝部長。 |
三本木信隆 |
「三本木商事」4代目社長。 |
木田 健三 |
和田塚にあるなんでも屋「市民生活社」社長。 |
妻 |
健三の妻。店を手伝う。 |
大使館員 |
ボリビア共和国大使館の女性係員。 |
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あらすじ
逗子に住む私の知人で洋画家の関が亡くなったと報せがあった。そこで彼の麻雀仲間の呂六に知らせてみるが、意外とあっけらかんとしている。半年後にはフランスへ絵の修行に行く予定だったことを聞くとつくづく残念な話だ。すると翌日、担当編集の谷口と関の未亡人が我が家へ葬式の相談にやってきた…。
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作品の舞台 |
光明寺・・・石蕗の花が咲きだすと光明寺のお十夜法要のことを思い出します。
半僧坊・・・私は建長寺から半僧坊へ上がっていきます。
銭洗弁財天宇賀福神社・・・宮口の娘が遊びに来ていることを聞き、私と呂六が行きます。
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登場人物 |
私 |
鎌倉に住む作家。永井龍男。 |
谷口 |
私の編集担当。 |
関 |
私の知人。逗子に住む洋画家。 |
妻 |
関の妻。 |
呂六 |
関の麻雀仲間。地元の大地主の息子。 |
宮口 |
銀座の小料理屋の主人。 |
娘 |
宮口の娘。 |
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あらすじ
龍男のもとに突然60年ぶりに旧友のH・Yから電話がかかってきた。どうやら龍男の作品がラジオ放送されたのを聞いた彼が、懐かしく思いつい電話をかけてしまったようだ。彼はすぐにも会いたいという様子だったが、龍男は四国へ行く用事があり断ってしまう…。
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作品の舞台 |
鎌倉駅・・・新京へ向かう日、龍男は雪降る中を駅まで歩きます。
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