鎌倉が舞台の随筆作品(その2)
鎌倉について記された随筆作品です。

作品名 発行年
蕗の薹 1939
無情な今年の二月 村松梢風氏と下中弥三郎氏をいたむ 1962
オルゴール 1964
鎌倉カーニバルと紙吹雪 1967
カーニバルと真っ赤な恐龍 1967
西田先生のことども 1974
北条政子 政治を回す尼将軍 1977
魔界妖行記 魔窟都市・鎌倉 1995
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蕗の薹 新村 出 月明会
あらすじ
 わたしにとってフキノトウは亡き母が咳の薬だといって食べさせられたことから始まっている。岐阜へ旅した時も土手一面に生えるフキノトウに新鮮さを感じたほどだ…。

 作品の舞台
 浄智寺・・・新村は寺でフキノトウの佃煮を食べます。
 登場人物
新村  出 物語の語り手。言語学者。
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無情な今年の二月
村松梢風氏と下中弥三郎氏をいたむ
平野零児 青空文庫
あらすじ
 1961年2月、私にとっての偉大な友人たちが鬼籍に入った。それは村松梢風氏と下中弥三郎翁のことだ…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・戦後、梢風は鎌倉で暮らします。
 登場人物
平野 零児 物語の語り手。小説家。
村松 梢風 零児の友人。鎌倉に住む小説家。
下中弥三郎 零児の友人。出版社「平凡社」創業者。労働運動の指導者。
馬場 胡蝶 慶應義塾大学部文学科教授。零児の師。文壇随一の座談の名手。
永井 荷風 慶應義塾大学部文学科教授。小説家。
舟橋 聖一 小説家。
丸尾 長顕 日劇ミュージックホールプロデューサー。小説家。
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オルゴール 三好達治 作品社
あらすじ
 建築技師で友人の守屋三郎の工房を訪ねた際、息抜きで作ったオルゴールを見せてもらった…。

 作品の舞台
 円覚寺・・・戦後に焼きだされ東京を離れた三郎は寺で仮寓します。
 登場人物
三好 達治 物語の語り手。詩人。
守屋 三郎 達治の友人。48歳。建築技師。
奥野信太郎 達治の友人。中国文学研究者。
横山 隆一 達治の友人。漫画家。
佐藤 正彰 達治の友人。ポール・ヴァレリー研究者。
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鎌倉カーニバルと紙吹雪 横山隆一 講談社
あらすじ
 戦後復活された鎌倉の夏の風物詩となった「鎌倉カーニバル」だが、その第一回目は昭和9年に行なわれ、その主神は「龍神」だった。しかしその年は非常に雨が多く海の商売が全く振るわず、鎌倉駅前にも大きなテルテル坊主が飾られ、龍神を早く海に返して好天続きにしてほしいと大騒ぎになってしまったそうだ…。

 作品の舞台
 鎌倉駅・・・駅前の喫茶店「りんどう」で三笠宮殿下は子どものお土産にシュークリームを買います。
 鶴岡八幡宮・・・節分会の後、NHKの娯楽番組「話の泉」の公開生放送が行われました。
 登場人物
横山 隆一 物語の語り手。鎌倉に住む漫画家。戦後に復活した「鎌倉カーニバル」の実行委員。
久米 正雄 鎌倉に住む小説家。「鎌倉カーニバル」の実行委員長。
大佛 次郎 鎌倉に住む小説家。「鎌倉カーニバル」の実行委員。
山本 紫郎 日劇のプロデューサー。「鎌倉カーニバル」の実行委員。
林  房雄 鎌倉に住む小説家。
永井 龍男 鎌倉に住む小説家。
川端 康成 鎌倉に住む小説家。
高見  順 鎌倉に住む小説家。
小野佐世男 鎌倉に住むマンガ家。
小野 寧子 佐世男の妻。夫の死後、画塾を開く。
近藤日出造 鎌倉に住むマンガ家。
秋好  馨 鎌倉に住むマンガ家。
村山しげる 鎌倉に住むマンガ家。
加藤 芳郎 マンガ家。
三笠宮崇仁親王 昭和天皇の末弟。歴史学者。軍人。
和田 信賢 NHKアナウンサー。娯楽番組「話の泉」の司会。
渡辺紳一郎 「話の泉」の解答者。元・朝日新聞記者。
堀内 敬三 「話の泉」の解答者。作詞家。
春山 行夫 「話の泉」の解答者。詩人。
田中 絹代 「話の泉」のゲスト。女優。
佐田 啓二 「話の泉」のゲスト。俳優。
坂本  武 「話の泉」のゲスト。俳優。
アサン 佐世男が従軍記者時代の召使い。ジャワ人。
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カーニバルと真っ赤な恐龍 横山隆一 講談社
あらすじ
 第2回目の鎌倉カーニバルでは大きな赤い恐龍を作り、パレードをしようとしたのだが、これもまたかなり苦労するものだった…。

 作品の舞台
 飯島・・・久米正雄が市議になった頃、そこがガラス張りになっている水中船が運ばれてきました。
 登場人物
横山 隆一 物語の語り手。鎌倉に住むマンガ家。
久米 正雄 鎌倉に住む小説家。「鎌倉カーニバル」の実行委員長。
永井 龍男 鎌倉に住む小説家。
今 日出海 鎌倉に住む小説家。
野一色幹夫 小説家。
八島 太郎 洋画家。元・漫画家「岩松淳」。隆一の友人。
マコ岩松 太郎の息子。ハリウッド俳優。
岡本 唐貴 洋画家。
白土 三平 唐貴の息子。漫画家。
矢崎 茂四 漫画家。隆一の友人。
和田 義三 漫画家。
相馬 鎌倉の住人。日出海や龍男の仕事部屋の大家。
三木のり平 喜劇役者。
安達 「田辺製薬」宣伝部長。大宅壮一の娘婿。
杉山 吉良 カメラマン。
小城  彪 雑誌記者。
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西田先生のことども 三木 清 新潮社
あらすじ
 清が一高の生徒だった大正6年4月、西田幾多郎博士の哲学講演会に参加し、思索する彼の姿に感銘を受けていた。それが影響し清は京都帝国大学哲学科に入学、西田博士に就いて学ぶことになった…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・清は西田の別荘を訪ねます。
 登場人物
三木  清 物語の語り手。哲学者。当時は一高の生徒。後に京都帝国大学哲学科に入学。
西田幾多郎 京都帝国大学文学部教授。哲学者。清の師。
速水  滉 心理学者。
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北条政子
政治を回す尼将軍
村井康彦 暁図書出版
あらすじ
 政子は自身を「辺鄙の老尼」といったことがあった。1218年熊野参詣の際、藤原兼子から後鳥羽天皇に謁見できる機会を与えられた時にそう言って辞退したのだ…。

 作品の舞台
 安養院・・・政子の小坐像があります。
 段葛・・・政子の安産を祈願して造りました。
 鶴岡八幡宮・・・静御前が舞を舞います。
 登場人物
村井 康彦 物語の語り手。歴史学者。
北条 政子 頼朝の正妻。時政の長女。
源  頼朝 鎌倉幕府初代将軍。政子の夫。
大姫 頼朝・政子の長女。
北条 時政 鎌倉幕府初代執権。時政・義時の父。
北条 義時 鎌倉幕府2代執権。時政の次男。政子の同母弟。
木曽 義仲 頼朝の従兄弟。
志水冠者義高 義仲の嫡男。大姫の許婚。
大江 広元 幕府の官吏。公文所別当。
一条 高能 頼朝の甥。
九条 頼経 鎌倉幕府4代将軍。
後白河法皇 第77代天皇。朝廷の権力者。
丹後局 後白河の寵姫。
源  通親 後白河の近臣。公卿。
九条 兼実 後白河の近臣。公卿。
慈円 天台座主。兼実の弟。『愚管抄』の作者。
安徳天皇 第81代天皇。
二位尼 安徳の祖母。清盛の正妻。
後鳥羽天皇 第82代天皇。朝廷の権力者。
藤原 兼子 後鳥羽の乳母。卿の局。
丹後局 後鳥羽の寵姫。
静御前 京の白拍子。
微妙 京の白拍子。
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魔界妖行記 魔窟都市・鎌倉 火坂雅志 桃園書房
あらすじ
 鎌倉は観光地として有名な場所だが、私が歴史小説を書くようになってからとんでもないところだと知った。伝説によればかつて「屍倉(かばねくら)」とも呼ばれていたというのだ…。

 作品の舞台
 泣塔・・・JR東日本大船車輛工場の敷地内に夜になると泣き声のする塔があります。
 災難畑・・・大蔵の地に家を建てると必ず災難がおこる土地があります。現在は清泉小学校の敷地の一部。
 登場人物
火坂 雅志 物語の語り手。小説家。
火坂の担当編集。鎌倉取材に同行する。