あらすじ
「北条九代名家功」は全三幕。「高時」は一幕目。
【高時・北条家門前の場】
通りかかりの浪人・安達三郎は北条家の飼い犬・雲龍が母・渚に襲いかかったことにより雲龍を打ち殺してしまった。三郎は人間の命よりも犬を大事にする高時の暴政に怒るが、北条家の家来たちは三郎・渚・三郎の子・泰松を取り調べるため邸内に連れて行った…。
【高時・奥殿の場】
邸内で酒宴を行なっていた高時は、愛犬を殺した三郎に怒り死罪を命じた。家来の大仏陸奥守はこれを止め高時を納得させるが、しかし高時は三郎だけではなく陸奥守まで死罪にしようとした。そこで家来の秋田城之助の「本日は北条義時公の命日なので人の命を奪うことがあってはならない」という言葉に怒りをおさめ三郎も無罪とした。そして愛妾の衣笠が舞い再び酒宴が始まるが、急に夜風が灯りを消し大勢の天狗たちが現れ高時を愚弄する…。
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