田中貢太郎の作品
田中貢太郎の作品です。伝奇物や怪談・奇談を多く描いた作家です。
作品名 発行年
黄燈 1934
二通の書翰 1934
頼朝の最後 1934
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黄燈 田中貢太郎 国書刊行会
あらすじ
 お得意先の桐島家から絹ごし豆腐3丁の注文を受けた豆腐屋は女房に豆腐を届けさせることになったが、彼女が桐島家に向かう姿を見ていると、青い鬼火のようなもの目にしてしまい、それ以降恐れおののく日々を過ごしていた。後日、彼は再度来店した桐島家の書生に、家に来てほしいと頼まれるのだが…。


 作品の舞台
 鎌倉・・・伯爵の未亡人と運転手が、鎌倉の海岸で変死します。
 登場人物
桐島伯爵 伯爵。貴族院議員。
伯爵夫人 桐島の妻。
山脇 桐島家の書生。数か月前に自動車事故死。
運転手 桐島家の運転手。
豆腐屋 豆腐屋の主人。
女房 豆腐屋の女房。
散髪屋 散髪屋の主人。
下駄屋 下駄屋の主人。
荒物屋 荒物屋の主人。
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二通の書翰 田中貢太郎 学習研究社
あらすじ
 ××が鶴岡八幡宮前を歩いていると、饅頭屋の亭主から呼び止められた。彼が云うには「二階堂に住む――という夫人が会いたがっている」というのだ。××にとっては聞いたこともない夫人の名前だったが、退屈な毎日を過ごしていた彼は訪ねてみることにした…。


 作品の舞台
 鶴岡八幡宮・・・八幡宮前に饅頭屋があります。
 二階堂・・・夫人が住む館があります。
 登場人物
×× 東京から避暑に来ている書生。
饅頭屋 鶴岡八幡宮前の饅頭屋の亭主。
夫人 二階堂で療養している元豪商の妾。
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頼朝の最後 田中貢太郎 国書刊行会
あらすじ
 相模川の橋供養から帰る途中に落馬をしてしまった右大将頼朝はしばらくの間、館で静養することになった。周囲では彼が病気になったのではないかと噂がたち始めているが、当の本人は病気どころか夜中に寝所を抜け出すほど回復していた。昔の浮気癖を危惧した妻の政子は、若い御家人畠山六郎に夫の見張りを頼んだ。ある夜、頼朝の寝所から被衣のようなものを着た女房が出てきたのを目にした六郎は後をつけ刀で二度突いたのだが、その正体はなんと頼朝本人だった…。


 作品の舞台
 鎌倉・・・頼朝は邸宅で不慮の死を遂げます。
 登場人物
源  頼朝 幕府の将軍。右大将。
北条 政子 頼朝の妻。御台所。
畠山六郎重保 若い御家人。
畠山次郎重忠 御家人。重保の父。
北条 時政 執権。政子の父。遠江守。
牧の方 時政の後妻。
源  朝雅 牧の方の娘婿。京都守護。
源  頼家 2代将軍。頼朝の子。
源  実朝 3代将軍。頼朝の子。
稲毛三郎重成 御家人。政子の妹婿。
伏見 広綱 御家人。
牧  宗親 御家人。
大多和義久 御家人。
左馬 権介 御家人。
結城 七郎 御家人。
千葉平兵衛尉 御家人。
葛西 十郎 御家人。
筑後 六郎 御家人。
和田 三郎 御家人。
土肥先二郎 御家人。
佐原 太郎 御家人。
多多良四郎 御家人。
長井 太郎 御家人。
宇佐美三郎 御家人。
佐佐木小三郎 御家人。
南条 平次 御家人。
安西 四郎 御家人。
周   防 御所の女房頭。
坊門大納言信清女 実朝の妻として京からやってきた公卿の娘。