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あらすじ
銀の小鍋から沸き立つ湯気の中にその姿がうかがえるほど、亡くなった恋敵の衣絵のことが園の頭の中から離れなかった。そんな彼女が松島に滞在した際に、馴染となった車夫からある話を聞いた…。
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作品の舞台 |
鎌倉・・・結核にかかった衣絵は夫と共に鎌倉で養生します。
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登場人物 |
香川 衣絵 |
女流歌人。結核にかかり鎌倉で療養中。(池田蕉園がモデル) |
香川 |
衣絵の夫。若手洋画家。(池田輝方がモデル) |
園 |
衣絵の友人で恋敵。 |
従弟の妻 |
衣絵の従弟の妻。 |
医師 |
衣絵のかかりつけの医師。 |
看護婦 |
衣絵のかかりつけの看護婦。 |
子爵夫人 |
香川の友人。 |
駅夫 |
岩沼駅の駅夫。 |
車夫 |
松島の人力車夫。 |
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あらすじ
小野の師である勝見漾石先生の訃報が届いた。葬式には門下生や友人が集まる中、小野は勝見の長女・冬子に魅かれてしまう。小野は勝見の妻・磬子にも相談するが娘の動向はそっと見守りたいという態度だった。しかしこうした中、勝見家に小野を誹謗中傷する内容の手紙が届いた。また小野が書いた勝見家をモデルにした小説が、磬子に不興をかってしまう…。
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作品の舞台 |
由比ガ浜・・・柳井と小野が浜辺で語り合います。
鶴岡八幡宮・・・小野や柳井たちが参拝します。
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登場人物 |
小野 辰夫 |
作家。勝見の門下生。(久米正雄がモデル) |
勝見 漾石 |
東京帝国大学教授。牛込柳町に住む。(夏目漱石がモデル) |
勝見 磬子 |
勝見の妻。(漱石の妻・鏡子がモデル) |
勝見新太郎 |
勝見の長男。11歳。(漱石の長男・純一がモデル) |
勝見 淳二 |
勝見の次男。10歳。(漱石の次男・伸六がモデル) |
勝見 冬子 |
勝見の長女。(漱石の長女・筆子がモデル) |
勝見 定子 |
勝見の次女。(漱石の次女・恒子がモデル) |
勝見 秀子 |
勝見の三女。(漱石の三女・栄子がモデル) |
智恵子 |
勝見の姪。 |
柳井 |
勝見の門下生。小説家。(芥川龍之介がモデル) |
杉浦 |
勝見の門下生。小説家。(松岡譲がモデル) |
黒田 |
勝見の門下生。文芸評論家。(赤木桁平がモデル) |
米田 |
勝見の門下生。小説家。(森田草平がモデル) |
原田 |
勝見の門下生。小説家。(林原耕三がモデル) |
大寺 |
勝見の門下生。文芸評論家。勝見家の家庭教師。(小宮豊隆がモデル) |
松本 |
勝見の門下生。俳人。(松根東洋城がモデル) |
佐々木重吉 |
勝見の門下生。児童文学家。(鈴木三重吉がモデル) |
辻本 |
勝見の門下生。哲学者。(和辻哲郎がモデル) |
矢部 |
勝見の門下生。小説家。(阿部次郎がモデル) |
須山 |
勝見の門下生。画家。(津田青楓がモデル) |
加能 |
勝見の友人。実業家。(中村是公がモデル) |
村井 |
勝見の友人。美術家。(坂崎坦がモデル) |
小菅 |
勝見の友人。美学者。大学教授。(大塚保治がモデル) |
伊東 |
勝見の友人で同期。哲学者。小野たちの高等学校時代の英語教師。(岩元禎がモデル) |
真島 |
勝見の主治医。(真鍋嘉一郎がモデル) |
谷本 |
勝見家に小野を中傷する手紙を送った男。 |
池田 |
新聞記者。京都の大学の出。(菊池寛がモデル) |
倉橋 |
勝見の友人。高等学校教師。 |
林 |
勝見の友人。高等学校教師。 |
數藤 |
勝見の友人。高等学校教師。 |
宗澤 |
臨済宗の僧。漾石の師。(釈宗演がモデル) |
令嬢 |
柳井の許嫁。 |
父 |
令嬢の亡父。海軍大学卒の秀才。戦死。 |
母 |
令嬢の母。戦争未亡人となり娘を一人で育てる。 |
少女 |
由比ガ浜の煙草屋の娘。通称「由比ガ浜小町」。 |
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あらすじ
作家の大庭葉蔵は、鎌倉の袂ヶ浦で園と心中を図るが、葉蔵は命を取り留め、園は死体となって発見された。そして心中に失敗した彼は、七里ガ浜の療養院「青松園」で過ごすことになった…。
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作品の舞台 |
七里ガ浜・・・葉蔵が療養した「青松園」は、七里ガ浜の「恵風園療養所」をモデルにしています。
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太宰が昭和5年11月29日に心中を図ったため、この作品は私小説のようにいわれていますが、太宰が恵風園療養所で療養したのは海に投身したことが原因でないという院長(中村善雄)の話もあり、創作小説とみる意見もあります。 |
袂ヶ浦・・・葉蔵と園は、袂ヶ浦で心中事件をおこします。
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袂ヶ浦は小動岬の東側になります。江ノ電でも昔「袂ヶ浦」という停車場が、現在の「恵風園胃腸病院」の前あたりあったそうです。 |
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登場人物 |
大庭 葉蔵 |
洋書家。作家。心中に失敗し療養中。(太宰治がモデル) |
園 |
葉蔵の心中事件の相手。(田部シメ子(田部あつみ)がモデル) |
院長 |
療養院「青松園」の院長。(中村善雄がモデル?) |
眞野 |
「青松園」の看護婦。20歳くらい。 |
飛騨 |
葉蔵の中学時代からの友人。彫刻家。 |
小菅 |
葉蔵の親戚。法科の大学生。 |
兄 |
葉蔵の兄。34歳。 |
刑事 |
短い口髭の刑事。 |
刑事 |
眼鏡をかけた刑事。 |
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あらすじ
小説家志望のの葉子は、以前から小説家の麻川に自分が書いた小説を見てもらうようお願いしていたが、一向にその連絡が来なかった。それは戯画家の坂本が描いた作品のネタ元が、葉子の作品だと誤解されているからではないかと彼女は思っていたのだが…。
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作品の舞台 |
雪ノ下・・・葉子は、雪ノ下のホテル「H屋」(「平野屋旅館」がモデル)で荘之介と出会います。
扇ヶ谷・・・葉子は海岸から扇ヶ谷に向かいます。
長谷・・・荘之介と赫子は、馬車で長谷の海岸に行きます。
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