実在の人物がモデルとなった作品
実在の人物がモデルとなった登場人物が描かれる作品です。
作品名 発行年
田舎教師 1909
うつり香 1915
道化の華 1935
鶴は病みき 1936
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田舎教師 田山花袋 新潮文庫
あらすじ
 周りの友人が上級学校に進学をする中、貧しい家庭に育った林清三は進学をあきらめ、村の小学校の代用教員となった。彼は文学を諦めきれずにいたが、地元の仲間たちと発行していた同人誌も廃刊となり、またその仲間たちも恋や芝居見物に夢中になっていき、清三は一人取り残されたような気持ちになっていく…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・石川は療養のため鎌倉に向かいました。
 登場人物
林  清三 行田に住む学生。貧しい家庭に育ち進学ができないため小さな村の小学校教員となる。(小林秀三がモデル)
加藤 郁治 行田に住む清三の親友。上級学校に進学志望。(狩野益三がモデル)
加藤 雪子 郁治の長妹。17歳。(狩野雪子がモデル)
加藤しげ子 郁治の次妹。15歳。(狩野しげ子がモデル)
清三の母。裁縫仕事で家計を支える。
清三の父。無職。
荻生秀之助 行田に住む清三の友人。郵便局員。(荻生喜三郎がモデル)
石川 行田に住む清三の友人。
沢田 行田に住む清三の友人。
北川 行田に住む清三の友人。
北川伊与子 北川の長妹。
北川いく子 北川の次妹?
北川美穂子 北川の三妹。浦和の女学校で寄宿舎生活をしている。雪子の友人。(北川みよ子がモデル)
北川 貞子 北川の四妹。
きよ子 美穂子の友人。
小畑 熊谷に住む清三の友人。官吏の息子。
桜井 熊谷に住む清三の友人。金持ちの息子。
小島 熊谷に住む清三の友人。呉服屋の息子。
佐藤 熊谷に住む清三の友人。
杉谷 熊谷に住む清三の友人。
小滝 熊谷に住む清三の友人。芸者屋の娘。現在は芸妓。
国府 北川の友人。
国府 友子 国府の妹。
校長 三田ヶ谷村弥勒高等尋常小学校の校長。(平井鷲蔵がモデル)
大島 三田ヶ谷村弥勒高等尋常小学校の校長次席。
狩野 三田ヶ谷村弥勒高等尋常小学校の訓導。
三田ヶ谷村弥勒高等尋常小学校の若い准教員。(速水義憲がモデル)
杉田 三田ヶ谷村弥勒高等尋常小学校の教員。
平田 三田ヶ谷村弥勒高等尋常小学校の老朽な教員。
三田ヶ谷村弥勒にある料理屋「小川屋」の娘。
石野 栄造 三田ヶ谷村村長。
岸野 井泉村助役。
山形 古城 羽生の成願寺の住職。(太田玉茗(田山花袋の義兄)がモデル)
原  香花 著名な作家。(田山花袋がモデル)
大島 孤月 著名な作家。
相原 健二 雑誌「太陽」の記者。
水谷 郡視学。難しいものの言い様をする。
田原 ひで 浦和の師範学校生。清三の教え子。(大越もんがモデル)
喜平 三田ヶ谷村の外れにある小屋に住む老人。
勘三 三田ヶ谷村に住む老人。
牧野 前橋の判事。
羽生の医師。
静枝 女郎。
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うつり香 近松秋江 中央公論社
あらすじ
 妻の失踪後、書生の雪岡は楽しみを求めて蠣殻町の売女・お宮にのめりこんでいたが、病気を移された上に、彼女が彼のライバル的関係にある友人・柳沢とも親しくしていたことも不快に思い、悶々とした生活を過ごしていた。さらに失踪していた妻が別家へ嫁いだことを聞かされ、彼は喜久井町にある妻の実家を出ることにした…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・雪岡がお宮に振りまわされている中、柳沢は鎌倉へ行くことになります。
 登場人物
雪岡 喜久井町に住む書生。(近松秋江がモデル)
おすま 雪岡の妻。(近松ますがモデル)
柳沢 雪岡の友人。新聞記者。(正宗白鳥がモデル)
柳沢の弟。(正宗得三郎がモデル)
お宮 蠣殻町の置屋「清月」の売女。(太田きみがモデル)
老母さん おすまの母。
新吉 おすまの姉の亭主。義兄。
小倉 喜久井町に住む御隠居。
お菊 「清月」の売女。
お芳 「清月」の売女。
おしげ 「清月」の売女。
お清 「清月」の女中。
加藤 雪岡の新しい間借り先の家主。
真野 柳沢の友人。
水野 柳沢の友人。
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道化の華 太宰 治 実業之日本社
あらすじ
 作家の大庭葉蔵は、鎌倉の袂ヶ浦で園と心中を図るが、葉蔵は命を取り留め、園は死体となって発見された。そして心中に失敗した彼は、七里ガ浜の療養院「青松園」で過ごすことになった…。

 作品の舞台
 七里ガ浜・・・葉蔵が療養した「青松園」は、七里ガ浜の「恵風園療養所」をモデルにしています。
太宰が昭和5年11月29日に心中を図ったため、この作品は私小説のようにいわれていますが、太宰が恵風園療養所で療養したのは海に投身したことが原因でないという院長(中村善雄)の話もあり、創作小説とみる意見もあります。
 袂ヶ浦・・・葉蔵と園は、袂ヶ浦で心中事件をおこします。
袂ヶ浦は小動岬の東側になります。江ノ電でも昔「袂ヶ浦」という停車場が、現在の「恵風園胃腸病院」の前あたりあったそうです。
 登場人物
大庭 葉蔵 洋書家。作家。心中に失敗し療養中。(太宰治がモデル)
葉蔵の心中事件の相手。(田部シメ子(田部あつみ)がモデル)
院長 療養院「青松園」の院長。(中村善雄がモデル?)
眞野 「青松園」の看護婦。20歳くらい。
飛騨 葉蔵の中学時代からの友人。彫刻家。
小菅 葉蔵の親戚。法科の大学生。
葉蔵の兄。34歳。
刑事 短い口髭の刑事。
刑事 眼鏡をかけた刑事。
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鶴は病みき 岡本かの子 信正社
あらすじ
 小説家志望のの葉子は、以前から小説家の麻川に自分が書いた小説を見てもらうようお願いしていたが、一向にその連絡が来なかった。それは戯画家の坂本が描いた作品のネタ元が、葉子の作品だと誤解されているからではないかと彼女は思っていたのだが…。


 作品の舞台
 雪ノ下・・・葉子は、雪ノ下のホテル「H屋」(「平野屋旅館」がモデル)で荘之介と出会います。
 扇ヶ谷・・・葉子は海岸から扇ヶ谷に向かいます。
 長谷・・・荘之介と赫子は、馬車で長谷の海岸に行きます。
 登場人物
坂本 葉子 歌人・小説家。(岡本かの子がモデル)
麻川荘之介 大正期の文豪。8年前に自殺。(芥川龍之介がモデル)
坂本 葉子の夫。漫画家。(岡本一平がモデル)
川田 新進作家。文学雑誌記者。(川端康成がモデル)
喜久井 荘之介の知人。(菊地寛がモデル)
大川宗三郎 耽美派作家。荘之介の先輩。(谷崎潤一郎がモデル)
大川 赫子 宗三郎の義妹。(石川せつ子がモデル)
荘之介を師友としている画家。(小穴隆一がモデル)
久野 荘之介の知人。
多田 詩人。
A社の部長。
お駒 ホテルH屋の婆や。
T氏の弟 プロレタリア文学作家。25歳。
X夫人 文学者会の参加者。