. |
 |
|
あらすじ
昭和23年の秋、銀行員の村松恒彦はドラクロアの出物があると聞き、妻・郁子、同僚・沢田と共に有楽町にあるS画廊へ向かった。しかし作品は恒彦の取引先の会社社長・楠に買われてしまっていた。そこで村松夫妻は作品を観ようと麻布にある楠邸を訪ねるが、そこで楠と郁子は心の中で惹かれあってしまう…。
|
|
作品の舞台 |
鎌倉駅・・・お通夜に向かう前に、郁子と楠は駅のそばにある賭場へ遊びに行きます。
扇ヶ谷・・・楠は扇ヶ谷にある旅館「懐風苑」に郁子を連れ込みます。
|
|
登場人物 |
村松 恒彦 |
岸田銀行日本橋支店貸付係長。35歳。渋谷神山町在住。 |
村松 郁子 |
恒彦の妻。22歳。銀行資本家の娘。旧姓・岸田。 |
村松 則彦 |
恒彦の亡父。元・商工大臣。戦死。 |
母 |
郁子・露子・照子の母。 |
岸田 露子 |
郁子の長妹。長唄を習っている。 |
岸田 照子 |
郁子の次妹。気むずかし屋。 |
男 |
露子の許婚。某製紙会社の社長の息子。女とジャズレコードにしか興味がない。 |
のぶ |
岸田家の女中頭。 |
息子 |
のぶの長男。貿易庁の三級事務官。 |
娘 |
のぶの長女。20歳。 |
沢田 |
恒彦の同僚。35歳。独身。 |
楠 |
恒彦の取引先の合成樹脂会社の社長。35歳。麻布笄町在住。 |
院長 |
楠の友人。病院長。楠が乗りまわすビュイックの持ち主。 |
草野井男爵 |
ダンス教習所の経営者。57歳。独身。 |
書生 |
草野井と同居する書生。 |
津川夫人 |
郁子の友人。慈善団体の会長。 |
ヘンリイ |
照子の友人。二世。 |
店主 |
有楽町の画廊「S画廊」の店主。名画鑑定の目が利く。 |
シャルパンティ夫人 |
会員組織のフランス料理店の経営者。年下の日本人画家と結婚。 |
朴 |
鎌倉駅近くで賭場を営む朝鮮人。 |
米人夫妻 |
楠のアメリカの大学時代の友人とその妻。 |
霧島 |
東大教授。 |
|
. |
 |
|
あらすじ
昭和22年の秋、大学生の斎藤は親友の水尾から電報で呼び出された。荒れ果てた邸宅に住む水尾は彼に妻・慧子が女中と共に実家に逃げ帰ってしまったのでどうしたらいいかと相談した。一方、慧子の実家では水尾との夫婦生活に飽きた彼女が、遊び仲間と共に自堕落な生活を送っていた…。
|
|
作品の舞台 |
扇ヶ谷・・・水尾慧子の実家があります。
|
|
登場人物 |
斎藤 |
東京大学文科生。学習院高等科卒。 |
水尾 清隆 |
斎藤の親友。東京大学文科生。父母は九州で隠棲し、荒れ果てた邸宅に住む。 |
水尾 慧子 |
清隆の妻。鎌倉扇ヶ谷生まれ。奔放な性格。 |
梅 |
水尾家の中年女中。 |
女中 |
水尾家の若い女中。 |
松島 |
慧子の恋人で遊び仲間。スポーツマン気質の人情家。 |
康子 |
慧子の親友で遊び仲間。 |
白竜 |
水尾家と深いかかわりがある占い師。 |
|
. |
 |
|
あらすじ
海沿いの洋館に住む近藤家は、殻に閉じこもった生活をしていた。家庭内も八重・虎雄親子と居候の奈津・治子母娘の仲があまりよくない。そんな近藤家の全員が恐れる男・倉谷玄武を海岸で見かけたと律子が言い出したため、家庭内の雰囲気が変わってきた…。
|
|
作品の舞台 |
鎌倉・・・近藤虎雄が住む洋館があります。
|
近藤家の所在地に関して、具体的な地名はこの作品に出てきません。
ただ、作品中の倉谷玄武を「江ノ島電車のなかで」見たとか、近藤家の道は「海水浴場へゆく帰り道」などの記述から
由比ガ浜や長谷にあった可能性があります。(「」内は原文のまま)
|
|
|
|
登場人物 |
近藤 虎雄 |
会社員。元陸軍中尉。 |
近藤 律子 |
虎雄の妻。 |
近藤 八重 |
虎雄の母。 |
正木 奈津 |
虎雄の叔母。近藤家に居候。 |
正木 治子 |
奈津の娘。保母。25歳。 |
倉谷 玄武 |
近藤家に復讐を企てている男。 |
山口 清一 |
八重の亡夫の同僚。実家で療養中。 |
|
. |
 |
|
あらすじ
1272年、建長寺のフランス人寺男・安里は近くに住む聾唖の少年と共に寺の裏にある勝上ヶ岳に登り、稲村ケ崎の夕焼けを見に行った。夕焼け空に並ぶ羊雲を見た安里は、苦節の少年時代を思い出し聞こえないであろう少年に語りだした…。
|
|
作品の舞台 |
建長寺・・・安里は大覚禅師に導かれ建長寺の寺男になります。
勝上ヶ岳・・・安里と少年は夕焼けを見に登ります。
稲村ガ崎・・・安里は稲村ケ崎の夕焼けを見て、少年時代を思い出します。
|
|
登場人物 |
安里 |
老いた建長寺の寺男。フランス人。碧眼で鼻が高いため周りから「天狗」と呼ばれる。 |
少年 |
安里と仲がいい聾唖の少年。不自由な体であるため仲間外れにされている。 |
蘭渓道隆 |
安里を建長寺に連れてきた大覚禅師。建長寺の開山。 |
トゥールーズ伯爵 |
フランス・セヴァンヌの領主。少年時代の安里は御領地で羊飼いをしていた。 |
羊飼い |
安里の親友。セヴァンヌに住む羊飼いの少年。 |
預言者 |
セヴァンヌの近隣の村を訪ねた8歳の預言者。 |
老人 |
年老いたフランス人の旅人。キリストの仮の姿。 |
|
. |
 |
|
あらすじ
明治の末期、松枝侯爵家の令息・松枝清顕は幼なじみで堂上華族の綾倉家の令嬢・綾倉聡子とお互いに惹かれ合い恋い慕うようになった。そんな聡子を見初めた洞院宮治典殿下から婚姻の勅許が発せられた。それ以降清顕と聡子の恋は激しく燃え上がり、禁断の恋へと向かっていく…。
|
|
作品の舞台 |
長谷・・・松枝家の別荘に清顕、本多、パッタナティド、クリッサダが遊びに行きます。
由比ガ浜・・・深夜の浜辺で清顕と聡子は忍び会います。
|
|
登場人物 |
松枝 清顕 |
渋谷に住む松枝侯爵家の令息。18歳。学習院高等科の学生。 |
松枝侯爵 |
清顕の父。 |
松枝都志子 |
清顕の母。 |
祖母 |
清顕の祖母。離れで暮らす。 |
綾倉 聡子 |
羽林家廿八家のひとつに数えられる綾倉家の令嬢。20歳。麻布に住む。 |
綾倉伊文伯爵 |
聡子の父。 |
蓼科 |
綾倉家の老女。聡子の身の回りの世話をする。 |
みね |
綾倉家の女中。 |
月修寺門跡 |
聡子の大叔母。奈良・月修寺の尼。 |
山田 |
松枝家の執事。 |
飯沼 茂之 |
清顕付きの書生。23歳。鹿児島生まれ。 |
本多 繁邦 |
清顕の親友で学友。18歳。学習院高等科の同級生。 |
父 |
繁邦の父。大審院判事。 |
房子 |
繁邦の又従兄妹。 |
パッタナティド |
学習院高等科の留学生。18歳。シャム王家・ラーマ5世の令息。呼び名は「ジャオピー」。 |
クリッサダ |
学習院高等科の留学生。18歳。パッタナティドの従兄弟。シャム王家・ラーマ4世の孫。呼び名は「クリ」。 |
ジャントラパー |
クリッサダの妹。パッタナティドの元恋人。称号は「月光姫(ジンジャン)」。 |
洞院宮治久 |
シャム王室とゆかりの深い皇族。 |
洞院宮治典 |
治久の第3皇子。近衛騎兵大尉。 |
山内 三郎 |
洞院宮付き別当。 |
皇后 |
皇族。 |
有栖川宮 |
皇族。 |
春日宮妃 |
皇族。 |
五井 |
清顕の級友。麹町に住む「五井物産」社長の息子。遊び人気質。 |
森 |
五井家の運転手。 |
西園寺公爵 |
松枝侯爵の友人。 |
新河男爵 |
松枝侯爵の友人。 |
増田 とみ |
殺人事件の被告。日本橋に住む料理屋の仲居。 |
土方 松吉 |
殺人事件の被害者。とみの同棲相手。料理屋の板前。 |
ひで |
松吉の愛人。料亭「岸もと」の女中。 |
北崎 |
清顕と聡子が密会する宿の主人。 |
森 |
大坂の産婦人科医。医学博士。 |
小津 |
「小津脳病院」院長。医学博士。 |
|
|
 |