川端康成の作品(その1)
川端康成の作品です。

川端康成
  学生時代に菊池寛に見いだされ頭角を現し、その後「新感覚派」作家として注目を浴びる。彼自身1935年に林房雄の誘いで鎌倉市浄明寺に居を移し、その後二階堂、長谷と転居した。
作品名 発行年
再婚者 1948
千羽鶴 1949
山の音 1949
岩に菊 1952
無言 1953
波千鳥 1953
夫のしない 1958
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再婚者 川端康成 新潮社
あらすじ
 私の師である池上が結核で亡くなり、若妻の時子はその後私と夫婦となった。時子には清・房子という子供がいたが、池上の弟夫婦の元で暮らしていた。その房子に結婚の話が持ち上がったのだが、房子は実母の時子ではなく、私にある疑問をぶつけてきた…。

 作品の舞台
 称名寺・・・私は時子と房子と共に立ち寄ります。
 安国論寺・・・房子の結婚相手の家が、海棠が名高い大木のある寺の近くにあります。
『房子の描いた地図の通りに私達は鎌倉郵便局の横へ折れた。(原文のまま)』、および
『時子は山門を入ると、そこの茶店の婆さんのところへ行って(原文のまま)』という部分から
「大町方面にあり、海棠の木が有名で、山門横に茶店がある」安国論寺と推測しました。
 由比ガ浜・・・私と時子は9月に入って人気の少ない砂浜に行きます。
 登場人物
作品の主人公。文学者。
時子 私の妻。
池上 私の文学の師。高等学校の国文学の教師。時子の前夫。結核で死亡。
池上と時子の長男。
房子 池上と時子の長女。21歳。清の妹。
池上の弟。清・房子の養い親。
愛子 池上家の女中。
女中 色街の女中。
娼婦 色街の娼婦。15歳。
小さな娼婦 13歳で死んだ娼婦。
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千羽鶴 川端康成 新潮文庫
あらすじ
 鎌倉の円覚寺で行われた茶会で、太田夫人は亡き情人の面影をもつ彼の息子・菊治と出会った。そしてその帰り道、2人はお互いに誘ったとも抵抗したともなく、夕食をとった宿でそのまま一夜を共にしてしまう…。

 作品の舞台
 円覚寺・・・ちか子主催の茶会で、太田夫人は菊治と出会います。
 登場人物
三谷 菊治 25歳前後の会社員。
菊治の父。4年前に死亡。
菊治の母。内気な性格。父に続いて死亡。
太田夫人 父の情婦。45歳前後。
太田 文子 夫人の娘。22歳。
稲村ゆき子 菊治の見合い相手。裕福な家庭の令嬢。
栗本ちか子 父の情婦。茶道の師匠。
女中 三谷家に長く仕える老女。
大泉 京都の茶道具屋。
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山の音 川端康成 新潮文庫
あらすじ
 信吾は同じ会社に勤める息子の修一とその妻・菊子、信吾の妻・保子の4人で鎌倉の谷戸にある家に住んでいる。彼は数年前に喀血をし、さらに物忘れをするなど目に見える衰えを感じるようになってきた。ある夜、地鳴りのような「山の音」を聞いた彼は、自らの死期を宣告されているような気がして、恐怖を覚えるのだが…。

 作品の舞台
 鎌倉駅・・・信吾たちは家に帰る際に、鎌倉駅を利用します。
 高徳院・・・信吾は里子と高徳院へ行き、大仏と与謝野晶子の歌碑を見ます。
 登場人物
尾形 信吾 東京に勤める会社の重役。62歳。
尾形 保子 信吾の妻。63歳。
相原 房子 信吾と保子の長女。夫婦仲がうまくいってない。
尾形 修一 信吾と保子の長男。房子の弟。信吾と同じ会社に勤める。
尾形 菊子 修一の妻。8人兄弟の末っ子。旧姓・佐川。20歳前後。
相原 房子の夫。麻薬の密売業者で麻薬中毒者。
相原 里子 相原と房子の長女。4歳。
相原 国子 相原と房子の次女。0歳。
谷崎 英子 信吾の会社の女事務員。22歳。
夏子 信吾の会社の女事務員。
相田 信吾の会社の元重役。昨年、脳溢血で死亡。
板倉 信吾の会社の前社長。
絹子 修一の愛人。戦争未亡人。洋裁店に勤める。
池田 絹子の同居人。戦争未亡人。
鳥山 信吾の旧友。元役人。
宮本 信吾の旧友。工場長。
水田 信吾の旧友。
鈴本 信吾の旧友。
北本 信吾の旧友。
たつみ屋 信吾の旧友。指物師。3~4年前に死亡。
加代 尾形家の元女中。
雨宮のじいさん 雨宮家に居候する老人。
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岩に菊 川端康成 新潮社
あらすじ
 鎌倉に15年ほど住む私は、市内の寺院にある石造美術を見てまわることが好きだ。石造美術とはいうもののその多くが墓や宝篋印塔なのだが、それらを見ていると私は故郷にある小さな菊が植えられた大きな岩を思い出すのだ…。

 作品の舞台
 覚園寺・・・私は石造美術を見に行きます。
 極楽寺・・・私は石造美術を見に行きます。
 鶴岡八幡宮・・・私は石造美術を見に行きます。
 建長寺・・・私は石造美術を見に行きます。
 別願寺・・・私は石造美術を見に行きます。
 五所神社・・・私は石造美術を見に行きます。
 浄光明寺・・・私は石造美術を見に行きます。
 二階堂・・・私は覚園寺の谷戸に10年ほど住んでいました。
 登場人物
鎌倉に15年ほど住む作品の主人公。
私の妻。
友人 私の友人。妻のために小さな宝篋印塔を建てる。
女の幽霊 故郷の岩に首を浮かべる女の幽霊。
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無言 川端康成 新潮社
あらすじ
 隣町の鎌倉に住む友人で作家の大宮明房が病に倒れ、作品を全く書かなくなってしまった。彼のことを見舞おうと三田は逗子から鎌倉までタクシーで向かうのだが、その途中運転手がトンネルに出没する幽霊のことを話し始めた…。

 作品の舞台
 小坪隧道・・・タクシー運転手は、トンネルに出る幽霊の話をします。
 名越・・・大宮明房邸があります。
 登場人物
三田 逗子に住む作家。
大宮 明房 鎌倉に住む作家。三田の友人。
大宮 富子 明房の娘。実家で父の世話をしている。
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波千鳥 川端康成 新潮文庫
あらすじ
 ゆき子と結婚した菊治は、伊豆山の宿へ新婚旅行に向かった。一方彼がその行方を気にかけていた文子は、父の郷里から旅を続けていた…。
『千羽鶴』の続編として描かれた作品。

 作品の舞台
 円覚寺・・・ちか子は菊治とゆき子が出会った円覚寺の茶会の思い出話をします。
 登場人物
三谷 菊治 25歳前後の会社員。
菊治の父。4年前に死亡。
太田夫人 父の情婦。45歳前後。
太田 文子 夫人の娘。22歳。
稲村ゆき子 菊治の見合い相手。裕福な家庭の令嬢。
栗本ちか子 父の情婦。茶道の師匠。
ゆき子の父。
ゆき子の妹。
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夫のしない 川端康成 新潮社
あらすじ
 デッサンの講習会で知り合って以来、大学生の順二と人妻の桐子の中はだんだんと深まっていった。さらに二人は人目を憚って東京で会うようにしていた。しかし、桐子は突然順二に別れを切り出した…。

 作品の舞台
 北鎌倉・・・順二、桐子の家があります。
 登場人物
順二 北鎌倉に住む大学生。
桐子 北鎌倉に住む人妻。
桐子の夫。52歳。