林房雄の作品
鎌倉文士のひとり、林房雄の作品です。

作品名 発行年
息子の青春 1950
妻の青春 1952
文学的回想 『文学界』の創刊 1955
文学的回想 鎌倉文士 1955
文学的回想 鎌倉ペンクラブ 1955
再婚旅行 1957
緑の水平線 1965
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息子の青春 林 房雄 六興出版
あらすじ
 鎌倉に住む越智英夫は九州で過ごした幼少期に貧しい暮らしに耐えつつましく生活しながらも、40を過ぎてから小説家に転身、妻と息子2人の4人で平和に暮らしている。自分と同じ辛さを味合わせたくないため、2人の息子のおしゃれや恋愛、飲酒などにはあまり口を出さないようにしていたのだが…。

 作品の舞台
 詫間ガ谷・・・越智英夫宅があります。
 長谷・・・コンネル宅があり、英夫は花屋でパトリシヤ夫人の誕生日祝いの花を買います。
 鶴岡八幡宮・・・飲み屋からの帰り道、英夫は藤棚の下で2人の息子に手を焼かせます。
 扇ガ谷・・・植村泰造邸があります。
 由比ガ浜・・・幸一たち不良グループがひと暴れします。
 材木座・・・藤村宅があります。
 鎌倉駅・・・クリスマス会が終わった後、春彦はたみ子を駅まで送ります。
 登場人物
越智 英夫 鎌倉に住む人気小説家。47歳。作家歴5年目。鎌倉住み12年目。半作家半農民の生活。
越智千代子 英夫の妻。42歳。毛虫が嫌い。
越智 春彦 英夫の長男。16歳。新制高校生。学歴は鎌倉第二小→湘南中→湘南高。クリスマス会準備委員会の副委員長。
越智 秋彦 英夫の次男。15歳。新制高校生。学歴は鎌倉第二小→鎌倉中。
伯母 英夫の伯母(亡母の姉)。20年以上越智家で養う。九州の武士の長女。
お信 越智家の年上女中。引き揚げ者。
お啓 越智家の年下女中。勝ち気な働き者。植木屋の娘。
川崎たみ子 英夫の中学時代の恋人。旧姓・牧。丹生村の大地主の娘。
長男 たみ子の長男。葉子の結婚相手。
牧  修一 たみ子の兄。石村の旧友。
大橋 進一 慶應義塾大学出の実業家。
大橋 英子 進一の妻。英夫の高校時代の恋人。旧姓・越智。
大橋新一郎 進一の長男。中学時代、英夫が家庭教師をしていた。
大橋 葉子 進一の三女。
石村 英夫の中学時代の友人。
コンネル 長谷に住む元米軍陸軍中尉。国際海上保険会社の横浜支店長代理。
パトリシヤ コンネルの妻。亜麻色の髪の持ち主。
デヴィッド コンネルの息子。12歳。
小杉 秀雄 英夫の飲み仲間。有名な批評家。
植村 泰造 英夫の飲み仲間。扇ガ谷に住む大会社の重役。
植村 幸一 泰造の長男。春彦と同級。
丹羽 文雄 英夫の小説家仲間。
山本 英夫の友人。鎌倉に住む新聞記者。
大森 好三 英夫の友人。文芸評論家。大学教授。
島野 市内にある「島野医院」の院長。
島野 謙吉 島野の息子。幸一の悪友。
藤村 材木座に住む舞踊の女師匠。
息子 藤村の息子。
山川 晃彦の中学のクラス担任。子爵で鳥類学者の息子。
森川たみ子 春彦のガールフレンド。
長女 鎌倉在住の劇作家の長女。クリスマス会準備委員会の委員長。
小野 鎌倉在住の歌人の息子。クリスマス会準備委員会のメンバー。
長女 鎌倉在住の小説家の長女。14歳。クリスマス会準備委員会のメンバー。
次女 鎌倉在住の小説家の次女。11歳。クリスマス会準備委員会のメンバー。
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妻の青春 林 房雄 創元社
あらすじ
 鎌倉に住む作家の越智英夫は日頃何でもかんでも妻・千代子に任せてしまい、彼女の身体や心を気にしていなかった。やがて彼女は神経消耗をきたし気鬱症で都内の病院に入院してしまう。そして翌年、男ばかりの正月を迎え何をやっていいかわからなかった英夫はそれまでの生活を反省し、妻が退院後に好きなことをさせようとするのだが…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・越智英夫宅(紅葉ヶ谷)の他、大久保宅、高野宅、永山宅、河井宅などがあります。
 長谷・・・大仏に近い料亭で鎌倉に住む文化人の妻たちが会合を開きます。
 登場人物
越智 英夫 鎌倉に住む人気小説家。48歳。作家歴6年目。鎌倉住み13年目。
越智千代子 英夫の妻。毛虫が嫌い。
越智 春彦 英夫の長男。新制高校生。学歴は鎌倉第二小→湘南中→湘南高。
越智 秋彦 英夫の次男。新制高校生。学歴は鎌倉第二小→鎌倉中→湘南高。
大久保 英夫の友人。鎌倉に住む先輩作家。
永山 英夫の友人。鎌倉に住む戯曲家。
河井 英夫の友人。鎌倉に住む出版社社長。
高野 英夫の友人。鎌倉に住む医学博士。56歳。
川田 英夫宅と同じ町内選出の市議会議員。
川田夫人 川田の妻。
泉川 国会議員。酒豪。
泉川夫人 泉川の妻。
小川 鎌倉に住む売れっ子の漫画家。
小川 静子 小川の妻。24歳。結婚3年目。
静子の姉。華道と茶道の師匠。独身。
今井 鎌倉に住む作家。
今井夫人 今井の妻。
横水 鎌倉に住む漫画家。
横水夫人 横水の妻。
藤間三千哉 鎌倉に住む舞踏家。
藤間夫人 三千哉の妻。
山川耕太郎 世界的に有名な作曲家。
白井 隆介 銀座にある「白井法律事務所」の所長。弁護士。
和尚 英夫宅の近所にある寺の青年和尚。
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文学的回想 『文学界』の創刊 林 房雄 新潮社
あらすじ
 1933年、静岡の湯ヶ島温泉で巡り合った川端康成・武田麟太郎・小林秀雄・林房雄の4人によって文芸誌『文学界』が創刊された。その後同人仲間として宇野浩二・深田久彌・広津和郎・豊島与志雄たちが加わった…。

 作品の舞台
 名越谷・・・上森子鉄宅があります。
 登場人物
林  房雄 物語の語り手。小説家。『文学界』の創刊メンバーのひとり。
川端 康成 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の創刊メンバーのひとり。
武田麟太郎 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の創刊メンバーのひとり。
小林 秀雄 房雄の文学仲間。文芸評論家。『文学界』の創刊メンバーのひとり。
宇野 浩二 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
深田 久彌 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
広津 和郎 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
豊島与志雄 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
横光 利一 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
里見  弴 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
藤沢 桓夫 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
村山 和義 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
森山  啓 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
島木 健作 房雄の文学仲間。小説家。『文学界』の同人。
舟橋 聖一 房雄の文学仲間。小説家。
今 日出海 房雄の文学仲間。小説家。
菊池  寛 房雄の文学仲間。小説家。
田中 直樹 編集者。「文化公論社」社長。
野々上慶一 編集者。「文圃社」社長。
上森 子鉄 編集者。出版労働組合の出身。鎌倉・名越谷在住。
梅原 北明 編集者。出版労働組合の出身。子鉄の友人。
式場 俊三 編集者。
亀井貫一郎 代議士。上森家の大家。
服部 之総 康成の友人。左翼史学者。
中河 与一 康成の友人。小説家。
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文学的回想 鎌倉文士 林 房雄 新潮社
あらすじ
 房雄が30歳の頃、鎌倉・名越谷に引っ越すことになった。当時の鎌倉には同業の小説家たちがたくさん住んでいたが、房雄は彼らとはつるまず、近所に住む画家たちとの付き合いが多かった…。

 作品の舞台
 名越谷・・・房雄が引っ越してきました。
 長谷・・・その後、房雄が長谷原ノ台に転居します。
 浄明寺・・・その後、房雄は浄明寺詫間ヶ谷に転居します。
 登場人物
林  房雄 物語の語り手。小説家。
上森 子鉄 林宅の隣人。編集者。
小池  巌 林宅の隣人。画家。
中村 琢二 林宅の隣人。画家。
中村 研一 林宅の隣人。画家。琢二の兄。
阿部 金剛 房雄の友人。牛込に住む画家。
阿部 艶子 金剛の妻。
阿部 英彦 金剛の長男。
三宅やす子 艶子の母。
小林 秀雄 房雄の友人。小説家。
大佛 次郎 房雄の友人。小説家。
今 日出海 房雄の友人。小説家。
吾妻 徳穂 房雄の友人。日出海の妻。
川端 康成 房雄の友人。小説家。
吉屋 信子 房雄の友人。小説家。
吉田 健一 房雄の友人。小説家。
永井 龍男 房雄の友人。小説家。
菊岡 久利 房雄の友人。詩人。
市川海老蔵 房雄の友人。歌舞伎役者。
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文学的回想 鎌倉ペンクラブ 林 房雄 新潮社
あらすじ
 川端家で生まれ我が家で育った犬のヴェラが天寿を全うした。すると隣人の熊谷家で飼っている犬がヴェラに似ているというので会いに行った。どうやらその犬は飼い主の熊谷久虎が制作した映画に使われた犬だった…。

 作品の舞台
 由比ガ浜・・・次郎は乗り合いバスの屋根に上って大暴れした過去があります。
 登場人物
林  房雄 物語の語り手。小説家。
林  繁子 房雄の妻。
熊谷 久虎 林家の隣人。映画監督。
熊谷夫人 久虎の妻。
原  節子 夫人の妹。女優。
川端 康成 房雄の文士仲間。小説家。
長田 幹彦 房雄の文士仲間。小説家。
菊岡 久利 房雄の文士仲間。小説家。
小林 秀雄 房雄の文士仲間。小説家。
高見  順 房雄の文士仲間。小説家。
菊池  寛 房雄の文士仲間。小説家。
久米 正雄 房雄の文士仲間。小説家。
横光 利一 房雄の文士仲間。小説家。
武田麟太郎 房雄の文士仲間。小説家。
貴司 山治 房雄の文士仲間。小説家。
徳永  直 房雄の文士仲間。小説家。
尾崎 士郎 房雄の文士仲間。小説家。
芹沢光治良 房雄の文士仲間。小説家。
久生 十蘭 房雄の文士仲間。小説家。
里見  弴 房雄の文士仲間。小説家。
神西  清 房雄の文士仲間。小説家。
小島政二郎 房雄の文士仲間。小説家。
中村 光夫 房雄の文士仲間。小説家。
久保田万太郎 房雄の文士仲間。随筆家。
村松 梢風 房雄の文士仲間。随筆家。
太田 水穂 房雄の文士仲間。詩人。
青野 季吉 房雄の文士仲間。文芸評論家。
窪川鶴次郎 房雄の文士仲間。文芸評論家。
横山 隆一 房雄の文士仲間。漫画家。
横山 泰三 房雄の文士仲間。漫画家。
清水  崑 房雄の文士仲間。漫画家。
那須 良輔 房雄の文士仲間。漫画家。
秋好  馨 房雄の文士仲間。漫画家。
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再婚旅行 林 房雄 講談社
ロマンブックス
あらすじ
 鎌倉に住む小説家・越智英夫は妻と2人の息子・祖母と暮らしている。穏やかに暮らしている彼らの周りには、老いも若きも男も女も色々なトラブルが巻き起こる…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・市内の人里離れた地に越智英夫邸があります。
 扇ガ谷・・・大川金平邸があります。
 二階堂・・・白井隆介邸があります。
 登場人物
越智 英夫 鎌倉に住む人気小説家。
越智千代子 英夫の妻。毛虫が嫌い。
越智 春彦 英夫の長男。新制高校生。
越智 秋彦 英夫の次男。新制高校生。
越智 加代 英夫の祖母。
お啓 越智家の女中。
お時 元・越智家の女中。藤沢の農家の娘。
大川 金平 扇ガ谷に住む実業家。英夫の同郷の先輩。
大川三枝子 金平の娘。22歳。「新世界社」編集部の新米記者。
広瀬 健志 「新世界社」編集長。加代の義理の孫。
正木 英夫の短歌の弟子。小田原の蒲鉾屋の息子。
藤原 道成 英夫の悪友。建築会社社長。
藤原夫人 道成の妻。
藤原 君子 道成の娘。
大久保夫人 道成の知人。
岩田 若い見習い大工。22歳。お時の恋人。
吉田 越智家の近くにある駐在所の若い巡査。
田上 茂吉 郵便局員。
行田 宗平 酒屋の店員。
小川 越智家の近所に住む売れっ子漫画家。
小川 静子 小川の妻。24歳。
白井 隆介 民事専門の弁護士。真面目で頑なな性格。
白井夫人 隆介の妻。英夫の友人。
田中 若い弁護士。隆介の弟子。
雪子 隆介の友人。
山川耕太郎 世界的な作曲家。
高野 「高野病院」医師。
渋川 司法省官僚。
越智 隆助 日本橋にある「カジノ・オリエンタル」支配人。
森田 徳松 西銀座のヤクザの親分。「小桜湯」の主人。
俊子 西銀座の小料理屋「小竹」の美人姉妹女将の姉。29歳。
歌子 西銀座の小料理屋「小竹」の美人姉妹女将の妹。23歳。
小宮 信吉 「小竹」の常連客。演芸部の新聞記者。
刈谷作左衛門 栃木県刈谷村村長。
太郎 刈谷村に住む猟師。海軍復員兵。
次郎 刈谷村に住む猟師。海軍復員兵。太郎の弟。
大堀 伊豆にある「大堀医院」の医師。
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緑の水平線 林 房雄 講談社
ロマンブックス
あらすじ
 鎌倉に住む小説家の白井は大の釣り好き。妻の鈴代や娘の友子も彼の気晴らしとして理解している。しかし孤独の空間を作ろうとしていた彼のもとに釣り仲間たちが集い、数々のトラブルに巻き込まれていく…。


 作品の舞台
 鎌倉・・・白井邸があります。
 長谷・・・剛造は大仏の裏山にある古別荘と土地を買い占めて釣り堀を造ります。
 二階堂・・・利光剛造邸があります。
 由比ガ浜・・・白井たちは「レストラン大海老」に行きます。
     
※「レストラン大海老」は1980年代半ばころまで実在していました。
 登場人物
白井 鎌倉に住むベテラン小説家。55歳。
白井 鈴代 白井の妻。
白井 良子 白井の長女。
文夫 良子の夫。大阪にある製薬会社の重役。
トシコ 良子と文夫の娘。白井の孫娘。
白井 友子 白井の次女。高校3年生。生徒自治会の副委員長。
登喜 白井家の女中。
利光 剛造 白井の釣り仲間。「東光精密電機」社長。二階堂在住。8人の男と3人の女の子持ち。
利光 八郎 剛造の八男。友子の友人。
実母 八郎の実母。横浜にある旅館の仲居。
継母 八郎の継母。27歳。剛造の後妻。元・芸者。
マコ 剛造の妾。20歳。芸者。
坪井 時彦 白井の釣り仲間。「平安製薬」副社長。大阪・堺の生まれ。
時彦の妻。うつ病。
祖母 妻の母。「平安製薬」社長。
古田久之進 時彦の友人。テレビ会社の重役。
菅原三千代 時彦の友人。28歳。フランス帰りのシャンソン歌手。
丸  公平 白井の釣り仲間。「新東京探偵社」の探偵。時彦の浮気捜査中。
角田 白井の隣人。「東光精密電機」の社員。
丸  望洋 千葉・勝浦にある民宿「望洋荘」の主人。
おやじ 鎌倉海岸にある「海の釣り堀」の主人。
スマ子 福島・裏磐梯にある「レインボーホテル」の娘。
ミッチェル・ヘッジス 白井の釣り仲間。元・銀行員のイギリス人。
ミッキー マコの友人。駆け出しの女優。
ピー子 双子の歌手。
ナツ子 双子の歌手。
堀田 医師。
マネージャー 由比ガ浜にある「レストラン大海老」のマネージャー。