坂口安吾の作品
坂口安吾の作品です。
作品名 発行年
南風譜 牧野信一へ 1938
街はふるさと 1950
曾我の暴れん坊 1954
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南風譜 坂口安吾 筑摩書房
あらすじ
 私が和歌山の友人の家を訪ねた際、入浴後浴室を出るとこちらを見つめる女の視線を感じた。そこでこの話を友人の牧野にすると、この辺りには女性といったら老人か子供しかいないし、君が見たのは仏像だよと言われてしまった。そして食事の後、牧野とともに見に行くと、そこには確かに木彫りの地蔵菩薩があった…。


 作品の舞台
 鎌倉国宝館・・・私は木彫りの地蔵のような仏像を、国宝館で見たことがあります。
 登場人物
物語の語り手。
友人 和歌山に住む私の友人。
漁師 友人宅の近くに住む法師。
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街はふるさと 坂口安吾 筑摩書房
あらすじ
 同じ雑誌社に働く放二と記代子は恋仲になるかと思いきや、なかなかそうはならず記代子の叔父・長平は不思議に思っていた。そこで彼が尋ねてみると、どうやら放二が住むアパートには何人かの娼婦が遊びに来るらしく、そういった環境が進展しない理由のようだった。すると放二は長平に、一人の娼婦を紹介したいと言い出した…。


 作品の舞台
 鎌倉・・・放二と記代子は鎌倉にいる作家のもとへ原稿をもらいに行きます。また青木礼子の実家があります。
 登場人物
大庭 長平 熱海に滞在する小説家。
北川 放二 雑誌記者。戦後、孤児となり長平が世話をする。
大庭記代子 雑誌社事務員。戦争で両親を失い、叔父の長平が親代わりとなる。
青木音次郎 実業家。長平の旧友。
青木 礼子 音次郎の妻。別居中。
戸田 音次郎の部下。
穂積 放二・記代子が勤める雑誌社の編集長。
河内 家庭雑誌の編集次長。
梶 せつ子 河内の部下。雑誌記者。
樋口 克子 記代子の友人。
木田 敏子 記代子の友人。ダンサー。
修子 記代子の友人。
ヤエ子 放二のアパートを根城にする娼婦。
ルミ子 放二のアパートを根城にする娼婦。
カズ子 放二のアパートを根城にする娼婦。
フジ子 放二のアパートを根城にする娼婦。
八重子 放二のアパートを根城にする娼婦。
管理人 放二のアパートの管理人。
オデン屋のオヤジ 放二のアパートの近くのおでん屋のおやじ。
お蝶 芸者。
夢子 芸者。
宇賀神芳則 右翼団体の顧問格。
呉竹しのぶ 作家。
海野 史学者。青木夫妻の親友。
野中 幸吉 「エンゼル」と呼ばれる造園業者。
キッピィ ジャカルタ生まれの南洋娘。女給。
テルミ キッピィの学友。
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曾我の暴れん坊 坂口安吾 筑摩書房
あらすじ
 兄の一万は学問好きで柔和だが、弟の箱王は好戦的で無類の剣術好き。母はそんな弟を箱根の別当に預け、坊主にしようとするのだが…。


 作品の舞台
 鎌倉・・・母は箱王があまりにも好戦的なので、再び鎌倉に召し出されることを危惧します。
 登場人物
一  万 曾我兄弟の兄。後の曾我十郎祐成。学問好きで柔和。
箱  王 曾我兄弟の弟。後の曾我五郎時致。無類の剣術好き。
満江 御前 曾我兄弟の母。
曾我 太郎 満江の二番目の夫。兄弟の義父。曾我祐信。
河津 三郎 満江の最初の夫。故人。
工藤 祐経 幕府の御家人。三郎を殺したため、兄弟にとっては父の仇。
源  頼朝 幕府の将軍。
畠山 重忠 幕府の御家人。
二宮 太郎 兄弟の姉の夫。二宮朝忠。
三浦 義澄 兄弟の義理の叔父。
平六兵衛 兄弟の従妹の婿。後の三浦義村。
箱根の別当 幼い箱王を預かる箱根の別当。
片  貝 義澄が寵愛する侍女。
虎 御 前 大磯の長者の娘。絶世の美女。一万の恋人。