紫陽花夫人 作:倉科 遼
画:岬ゆきひろ
双葉社
あらすじ
 北鎌倉の閑静な住宅街に建つ和洋折衷の館。季節になると庭一面に紫陽花が咲きほこることから「紫陽花の館」と呼ばれるこの館に住んでいるのは、若くして夫を亡くした美貌の生け花師匠・上條麗華と使用人夫婦。麗華の放つ甘い蜜に惑わされ、今日も男たちが館にやってくる…。


 作品の舞台
 北鎌倉・・・上條麗華が住む「紫陽花の館」があります。
 稲村ガ崎・・・高級フランス料理レストラン「天使の湾(ベンデ・サンジュ)」があります。
 登場人物
上條 麗華 北鎌倉の「紫陽花の館」に住む清楚な未亡人。28歳。生け花の師匠で「紫陽花夫人」と呼ばれる。
上條 達彦 麗華の亡夫。実業家。享年48歳。
「紫陽花の館」の使用人。元・ヤクザ。
タケ 榎の妻。夫ともに「紫陽花の館」で雑用をこなす。
榎  謙一 榎の息子。数年前に事故死。
榎  謙司 榎の孫。謙一の息子。24歳。
児玉 麗華がオーナーを務める高級レストラン「天使の湾」の使用人。75歳。
三木 綾子 麗華の生け花の弟子。夫からのDV被害に悩んでいる。
三木 綾子の夫。性的不能となり、それがもとで家庭不和になる。
桜井 真一 元・銀行員。仕事に没頭しすぎたため妻子に逃げられ、挙句の果てに会社からリストラされる。
桜井真由美 真一の娘。高校生。
武田 「紫陽花の館」近くで作業する道路工事作業員。元・ボクサー。実家は山形のサクランボ農家。
藤田  守 海外留学予定の学生。
神崎 正臣 有名俳優。
平田 脇役の俳優。
吉田 英介 高校の国語教師。
荒川 陽子 英介の恋人。交通事故に遭い昏睡状態が続いている。