井上渉子の作品
歴史系ライター・井上渉子の作品です。中世のものが多いです。
作品名 発行年
潮が満ちるとき 2000
春の道標 -竹御所私記- 2000
海を見ていた 2001
海より来る 2003
月の肖像 -永享記- 2004
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潮が満ちるとき 井上渉子 桔梗ヶ谷
あらすじ
 阿野全成に謀反の疑いがかけられ、さらに将軍の源頼家が病に倒れ、幕府内の屋台骨が崩れかけてきていた。そんな中、幕府重臣の比企能員の勢力を拡大しようという動きに、北条氏が対抗しようと動いていたため、江間太郎泰時の妻・汐路は心を痛めているのだが…。

 作品の舞台
 大倉御所・・・比企弥四郎が政子のもとに訴え出ます。
 西御門・・・三浦義村の館があります。
 宝戒寺・・・北条執権の館があります。
 妙本寺・・・比企能員の館があります。
 登場人物
江間太郎泰時 北条一門の御家人。21歳。後に3代執権となる。
汐路 泰時の妻。18歳。後の「矢部禅尼」。
北条 時政 泰時の祖父。初代執権。
北条 政子 時政の長女。尼将軍。
阿波局 政子の妹。泰時の叔母。
阿野法橋全成 阿波局の夫。頼朝の異母弟。
源  頼家 2代将軍。政子の長男。
千幡 頼家の弟。阿波局が養育している。後の「源 実朝」。
若狭局 頼家の妻。汐路の友人。
一幡 頼家と若狭局の子。
貞暁 頼家の異母弟。千幡の異母兄。
佳江 汐路の侍女。姉が比企家に奉公している。
三浦 義村 幕府の重臣。汐路の父。
比企 能員 幕府の重臣。若狭局の父。
比企弥四郎時員 幕府の御家人。能員の子。
佐原次郎盛連 幕府の御家人。26歳。汐路の従兄弟。
源五 北条家の家人。
余六 北条家の家人。
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春の道標 -竹御所私記- 井上渉子 桔梗ヶ谷
あらすじ
 鎌倉幕府の御家人・三浦光村は、ある日御所に訪れた源媄子と出会った。媄子は地頭に土地を横領された遠縁の娘、観寿のために調査の申し出を行い、光村は調査の協力を約束した。そしてそのことをきっかけに二人の仲は急速に近づくのだが…。


 作品の舞台
 西御門・・・三浦家の居館があります。
 小町・・・北条得宗家の館があります。
 登場人物
三浦 光村 幕府の御家人。21歳。通称・駿河三郎。幼名・駒若丸。
源  媄子 頼朝の孫娘。頼家の娘。28歳。通称・竹御所。
観寿 媄子付きの女房。媄子の母方の遠縁の娘。
瑞穂 媄子付きの女房。
志乃 媄子の乳母。
源  頼家 媄子の亡父。鎌倉幕府2代将軍。
源  実朝 頼家の弟。鎌倉幕府3代将軍。
公暁 媄子の異母兄。光村の師。
三浦 義村 幕府の有力御家人。光村の父。
三浦太郎朝村 幕府の御家人。義村の長男。光村の長兄。
三浦 泰村 幕府の御家人。義村の次男。光村の次兄。
三浦 胤義 幕府の御家人。義村の弟。
三浦 義康 幕府の御家人。23歳。胤義の子。光村の従弟。
新六 三浦家の家人。
日阿 結城称名寺の僧。元・頼朝の側近「結城朝光」。光村の烏帽子親。
北条陸奥守義時 鎌倉幕府2代執権。
北条 泰時 鎌倉幕府3代執権。義時の子。
安達新九郎 幕府の有力御家人。
九条 頼経 鎌倉幕府4代将軍。
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海を見ていた 井上渉子 桔梗ヶ谷
あらすじ
 正覚院の主・正覚の寵愛を受けていた稚児の普賢。しかしある夜、正覚は死んでしまい、主は正覚の一番弟子・浄真が受け継ぐこととなった。正覚院の主は江ノ島の神社の別当も兼ねるため、浄真は江ノ島を仕切る巫女を訪ねたが、彼女は浄真を別当に認めようとはしなかった…。


 作品の舞台
 鶴岡八幡宮・・・普賢がいるのは、八幡宮二十五坊のひとつ・正覚院です。
 
由比ガ浜・・・普賢が巫女と浜辺で出会います。
 常盤・・・高範の実家があります。
 円覚寺・・・浄真ともめ事をおこした普賢と文殊は、八幡宮を出て円覚寺に滞在します。
 登場人物
正覚 鶴岡八幡宮二十五坊のひとつ「正覚院」の主。
普賢 正覚に仕える稚児。13歳。
浄真 正覚院の青年僧。24歳。正覚の一番弟子。
高範 正覚院の青年僧。18歳。
文殊 高範に仕える稚児。13歳。
定尊 二十五坊の別当。12歳。
弘尊 定尊の後見人。先代さま。
松若 定尊に仕える稚児。
孝嗣 高範の異母弟。
重孝 高範の叔父。
彦三 高範の実家の家人。
余六 高範の実家の家人。
江ノ島の巫女 江ノ島を仕切る巫女。遊女あがり。
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海より来る 井上渉子 桔梗ヶ谷
あらすじ
 片瀬の村で戦に巻き込まれてしまった江ノ島の稚児・普賢は、足利家家臣の結城成朝と知り合い江ノ島まで案内することとなった。一方、江ノ島の別当・高範の元に鎌倉公方・足利成氏が訪れていた…。


 作品の舞台
 由比ガ浜・・・普賢は昔よく夜に浜辺へきて海を見ていました。
 長谷・・・普賢の父・彦四郎は長谷の鋳物師です。
 登場人物
普賢 高範に仕える稚児。13歳。
高範 江ノ島の別当。18歳。
文殊 高範に仕える稚児。13歳。
秋沙 江ノ島を仕切る巫女。片瀬の遊女の頭。16歳。
狭霧 片瀬の遊女。
ゆら 狭霧の妹。女童。
美砂 片瀬の遊女。
八重 片瀬の遊女。死亡。
足利左馬頭成氏 鎌倉公方。14歳。
結城七郎成朝 足利家家臣。13歳。
千葉 新介 足利家家臣。
梁田 持助 足利家家臣。
上杉右京亮憲忠 関東管領。公方と仲が悪い。
太田 資長 上杉家家臣。後の「太田道灌」。
道悦 憲忠の叔父。僧侶。
長棟 先々代の関東管領。「上杉憲実」。
足利 持氏 成氏の亡父。先代の鎌倉公方。
彦四郎 普賢の父。鋳物師。
普賢の母。元・片瀬の遊女。
正覚 鶴岡八幡宮二十五坊のひとつ「正覚院」の主。
孝嗣 高範の異母弟。
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月の肖像 -永享記- 井上渉子 桔梗ヶ谷
あらすじ
 謹慎中の身でありながら遊女と戯れ、京の幕府に反抗的な態度を続けている鎌倉公方・足利持氏に、関東管領の上杉憲実は頭を悩ましていた。そこで彼は、遊女の頭をつとめる江ノ島にいる弁財天の巫女のもとに向かうのだが…。


 作品の舞台
 山ノ内・・・上杉憲実の館があります。
 登場人物
足利 持氏 第4代鎌倉公方。21歳。
朔子 持氏の正室。
持氏に寵愛される巫女(遊女)。17歳。
上杉安房守憲実 関東管領。29歳。山内上杉家当主。
上杉 房方 憲実の実父。
上杉 憲基 憲実の養父。
龍若 憲実の嫡男。後の「上杉憲忠」。
長尾 芳伝 山内上杉家の家宰。
足利 義久 持氏の子。
宅間陸奥守 持氏の近臣。
犬懸 禅秀 先々代の関東管領。
足利 義教 足利幕府第6代将軍。
結城中務丞 下総の豪族。「結城氏朝」。
弁財天の巫女 江ノ島の弁財天の巫女。片瀬の遊女宿の長者。