文学の大家の作品(その1)
文学の大家とよばれる作家の作品集です。各作家のプロフィールは下記のとおり。

阿刀田高
  「ナポレオン狂」で直木賞受賞。日本ペンクラブ会長を務めた経験もあり。
連城三紀彦
  「恋文」で直木賞受賞。真宗大谷派の僧侶でもある。2013年死去。
三好徹
  「聖少女」で直木賞受賞。元・読売新聞社の記者。
小林久三
  「暗黒告知」で江戸川乱歩賞を受賞。元・脚本家。2006年死去。
和久峻三
  「仮面法廷」で江戸川乱歩賞を受賞。弁護士。
三島由紀夫
  戦後の日本を代表する大作家。1970年死去。
色川武大
  筆名は「いろかわ ぶだい」と読み、本名は同じ表記で「いろかわ たけひろ」と読む。
  麻雀小説では「阿佐田哲也」、時代小説では「井上志摩夫」という名前を使う。
海老沢泰久
  「帰郷」で直木賞受賞。スポーツ関係のノンフィクション作品が多い。2009年死去。
作品名 発行年
舞踏会 1919
妙な話 1920
1920
一塊の土 1923
天使の海 1971
四人 1978
花衣の客 1987
飾り火 1989
薄闇 1989
静かな生活 1994
朱い旅 1995
震える指 1996
花の図鑑 1999
京都・鎌倉・大和 あじさい古都の寺殺人ライン 2006
復讐 2006
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天使の海 三好 徹 毎日新聞社
あらすじ
 私は湘南の海をパトロールする通称「ふくろう部隊」に同行取材をすることになった。そして江ノ島から材木座まで来た私は、そこで闇にまぎれて砂浜に人形を埋める女を見かけた。人形には釘が打ち込まれおり、どうやら古風な呪いの儀式を行っているようだった。しかしその3日後、人形に名前が書かれていた映画監督の園谷邦彦の水死体が海岸で発見される・・・。

 作品の舞台
 材木座・・・4~5ヶ月前、松沼陽子の遺体が発見されます。
 登場人物
横浜支局の新聞記者。神奈川県警の記者クラブに所属。
横山 横浜支局の新聞記者。私の次席。
植松 横浜支局の新聞記者。3ヶ月前に配属。
犬塚 横浜支局のカメラマン。
成瀬 横浜支局の通信部記者。
古畑 本社の文芸部記者。私と同期入社。
園谷 邦彦 アングラ映画の監督。
山添 京子 邦彦の妻。テレビ・映画で売れっ子の女優。
松沼 陽子 ファッションモデル。4~5ヶ月に自殺。
松沼 肇子 陽子の妹。S学院の3年生。
御室 節子 肇子のクラスメート。
葉子 私の行きつけのバーのホステス。
川森 神奈川県警本部警邏課警部。
笹倉 神奈川県警捜査一課係長。
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四人 色川武大 文藝春秋
あらすじ
 売れないライターの羽鳥誠一は、6年連れ添った妻のすみ子と離婚したが、すみ子の方は未だ未練があるようだった。そんな誠一はある集まりで知り合った人妻・ベティと意気投合し、彼女の隣宅に仕事場を移すのだが…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・純子の父の墓があります。
 登場人物
羽鳥 誠一 冴えないフリーライター。
会津すみ子 誠一の妻。
植木 敏春 写真家。
植木 純子 敏春の妻。「ベティ・ジェーン・植木」と名乗る。
サム・ハスキン 敏春の師。ロンドン在住の写真家。
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花衣の客 連城三紀彦 講談社文庫
あらすじ
 「死に水をとってくれないか、今からその臘月で・・・。」紫津は死んだ母の愛人だった健蔵の病床を見舞い、最期を看取ろうとしていた。そこで紫津は、母の弥衣と健蔵の軌跡をなぞっていくのだが・・・。

 作品の舞台
 妙本寺・・・水野弥衣・紫津母娘は妙本寺の裏手に住んでいました。
 登場人物
飯倉 健蔵 65歳。元帝国大学の物理学講師。
水野 紫津 38歳。茶道で身をたてる。
水野 弥衣 紫津の母。健蔵の愛人。38歳で死亡。
飯倉 郁代 健蔵の妻。健蔵の恩師の娘。
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飾り火 連城三紀彦 毎日新聞社
あらすじ
 藤家芳行は仕事の出張先で誘惑に負け、行きずりの女と一夜を共にした。さらにその時期と重なるように、息子の雄介や娘の叶美も成長と共に変貌を遂げていく。芳行の妻・美冴は家庭が壊れていくのを感じるのだが、そのすべてのきっかけにある一人の女がいることに気がつくのだが・・・。


 作品の舞台
 明月院・・・村木と美冴は、建長寺を出た後、紫陽花を見に明月院へ向かいます。
ちなみに二人は

 建長寺 → 明月院 → 鶴岡八幡宮 → 鎌倉宮 → 材木座海岸 

と散策します。
 登場人物
藤家 芳行 大手商社の営業部長。
藤家 美冴 芳行の妻。
藤家 雄介 芳行の長男。大学を卒業し、今年から会社員となる。
藤家 叶美 芳行の長女。高校生。
佳沢 妙子 美冴のカルチャースクール仲間。
村木 征二 妙子の友人。洋書店の一人息子。
石津真佐代 雄介の大学時代の友人。画廊店員。
野上  明 叶美のクラスメート。優等生。
ハロルト 叶美の友人。アメリカからの留学生。
田口 敏雄 大手繊維会社の営業部長。
田口 保子 敏雄の妻。
田口 英一 敏雄の息子。
大野 幸江 田口の妹。
大倉 敏信 日本画の大家。
岸森 芳行の部下。
久保田玲子 原宿のブティック経営者。
クミ子 ブティック店員。
大杉  豊 総裁候補の大物政治家。
勝山 都議会議員。
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薄闇 阿刀田高 角川ホラー文庫
あらすじ
 海野は、大学の後輩で恋心を抱いていた静子からの手紙を読むと、ふと彼女に会ってみようと思い鎌倉へ向かった。それは彼女が昨年仕事一筋だった夫を失い、子供もおらず猫だけが話し相手という淋しさを彼に打ち明けたことがあるからだった。そして鎌倉に着いた海野は早速彼女に連絡を取るのだが…。


 作品の舞台
 大船観音・・・海野は、静子が住む鎌倉へ向かう途中の電車の車窓から、大船観音の白い顔を眺めます。
 十二所・・・海野と静子は、十二所の静かな小径を散策しながら、話をします。
 登場人物
海野 独身のサラリーマン。34歳。
各務 静子 未亡人。海野の大学の後輩。33歳。
各務 静子の亡夫。昨年病死。元・警官。
リリ 静子の飼い猫。
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静かな生活 海老沢泰久 文藝春秋
あらすじ
 町子は洋画家の夫・高雄と結婚して10年が経った。義父からの遺産で生活を続け、売れない絵を描き続ける夫や2人の子供とともに静かな生活を続けていた町子は、ある日気晴らしに伊豆への一人旅に出かけ、そこで香水店の店主・村木と出会った…。


 作品の舞台
 北鎌倉・・・綾城高雄邸があります。
 登場人物
綾城 高雄 売れない洋画家。父は高名な洋画家。43歳。
綾城 町子 高雄の妻。7歳と4歳の娘がいる。39歳。
村木 敏夫 下田の香水店の店主。年下の妻がいる。33歳。
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朱い旅 阿刀田高 幻冬舎
あらすじ
 ギリシャへ旅行中の一郎は、同じツアーに参加していた田辺から、一枚の写真を手渡された。その写真には、若き日の父母と共に、不二草薫という大学の助教授が写っていた。一郎が持っている母の遺品にも、不二草の名前が見られるので、母との関係を調べてみると、過去に起こったある出来事に結びついていることがわかる・・・。


 作品の舞台
 大町・・・箕川信彦邸は、大町6丁目にあります。
 釈迦堂口・・・一郎は箕川邸を出た後、釈迦堂口の切通しを散策します。
 登場人物
高見 一郎 国立国会図書館の司書。
高見 房子 一郎の妻。広告代理店勤務。
高見 政一 一郎の父。二十数年前に病死。
高見 明美 一郎の母。旧姓・溝口。事故死。
高見千代美 一郎の叔母。
高見 郁夫 千代美の長男。
不二草 薫 大学助教授。昭和32年に自殺。
桑野 文彦 演出家。一郎の学生時代の友人。
箕川 信彦 政一の親友。化学メーカーの研究所員。
田辺  昇 朝日総研顧問。
松本 一助 元・内科医。
小野寺陽子 20年前の通り魔事件の被害者。
太田 富枝 20年前の通り魔事件の被害者。
大垣 大学の文学部助教授。
本堂 脚本家。
津村 房子の会社の若手社員。
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震える指 小林久三 桃園書房
あらすじ
 風邪で欠勤した内畑課長の自宅に書類を届けるため横須賀線に乗った由美子は、その車内で痴漢行為をする婚約者の宏の姿を目にしてしまう。宏に嫌悪感を持った由美子は、デートの誘いを断り続けるが、そんな時、一人の男が宏のことを訊ねるため由美子に近づいてくる・・・。


 作品の舞台
 極楽寺・・・内畑課長邸があります。
 北鎌倉・・・谷垣梨代邸があります。
 登場人物
今宮由美子 渋谷の貿易会社の総務部に勤めるOL。26歳。
松山  宏 関東第二弁護士会所属の弁護士。由美子の婚約者。29歳。
内畑 由美子の上司。
堀  一恵 由美子の同僚。
栗田 真弓 西麻布の宝石店の営業部に勤めるOL。34歳。
青池 里子 横須賀線で通勤するOL。
谷垣 梨代 来春女優デビューするモデル。本名・伊藤希久子。
村越 世田谷署刑事。
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花の図鑑 阿刀田高 角川文庫
あらすじ
 鉄鋼会社に勤める独身の中座啓一郎には、2人の恋人がいた。ひとりはバーのママの田川薫、もう一人は画商の千倉法子だ。そんなある日、出張先の飛行機トラブルのため滞在した香港で、啓一郎は雑誌記者の麻美と知り合った・・・。


 作品の舞台
 鎌倉散策・・・啓一郎と麻美は、雨の鎌倉を散策します。
   円覚寺 → 東慶寺 → 浄智寺 → 明月院 → 建長寺 → 

         鶴岡八幡宮 → 頼朝の墓 → 瑞泉寺 →(タクシー)→ 鎌倉駅

 2人は上記のコースを散策しました。
 登場人物
中座啓一郎 鉄鋼会社係長。独身。35歳。
中座 保子 啓一郎の長妹。26歳。
中座ひろみ 啓一郎の次妹。20歳。
田川  薫 啓一郎の恋人。バー「かとれあ」のママ。
千倉 法子 啓一郎の恋人。画商。34歳。
寺田 麻美 婦人雑誌記者。31歳。
植田  弘 啓一郎の上司。課長。
布崎 植田の後任の課長。
志野田 弘 保子のボーイフレンド。照明メーカー勤務。
志野田順二 弘の父。
志野田民子 弘の母。
大西 玩具メーカー勤務。
笹田 三彦 啓一郎の親友。高校数学教師。
森井 啓一郎の親友。航空会社勤務。
兵藤 笹田の友人。経済犯専門の渋谷署の警察官。
ミシェル岡田 麻美の友人。シャンソン歌手。
種田 啓一郎の同僚。
前田マリ子 宮益坂の割烹「まえだ」女将。
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京都・鎌倉・大和
あじさい古都の寺殺人ライン
和久峻三 光文社文庫
あらすじ
 宇治の三室戸寺で、宮川茂一郎が参道から転落して死んだ。遺留品のスカーフなどから、殺人事件と断定し、事件の担当となった赤かぶ検事だが、今度は検事の元に紫陽花がつめられた弁当が送られてくるイタズラをうける。そして、捜査も決め手のないまま進むうちに、第2の事件がおきてしまう・・・。


 作品の舞台
 明月院・・・第3の事件を防ぐために行天警部補チームらが、張り込みをします。
 登場人物
柊   茂 通称「赤かぶ検事」。人情味溢れる非エリートの叩き上げの検事。
柊  春子 茂の妻。よき妻、よき相談相手。
川端 昌雄 近畿美術大学写真科教授。カメラサークル「写団・影」顧問。
宮川茂一郎 アマチュアカメラマン。元役所勤め。35歳。「写団・影」メンバー。
宮川 直美 茂一郎の妻。美容院経営。32歳。
宮川 紀夫 茂一郎の息子。小5。
塚本 昭治 大阪の製薬会社の技術課長。36歳。「写団・影」メンバー。
塚本 光恵 昭治の妻。32歳。
波多野美津子 5年前にある事件に巻き込まれ自殺。享年19歳。
近藤 隆司 元美津子の恋人。フリーのシナリオライター。「写団・影」メンバー。
片桐やよい アマチュアモデル。28歳。
福永 徹也 やよいの兄。やよいとスナックを共同経営。
柳原 尚徳 京都・高照寺住職。
寺尾 道男 京都のメンズショップ経営者の長男。独身。38歳。
三田村正文 「三田村化成」社長。
吉岡信太郎 「吉岡製作所」社長。58歳。
溝口 京都府警警部。
行天 燎子 京都府警警部補。
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復讐 三島由紀夫 集英社文庫
あらすじ
 海沿いの洋館に住む近藤家は、殻に閉じこもったような生活をしていた。その家庭内も、虎雄母子と居候の奈津母娘の仲があまりよくない。そんな5人が恐れる男、倉谷玄武を海岸で見かけたと律子が言い出したため、家庭内の雰囲気が変わってきた・・・。


 作品の舞台
 鎌倉・・・近藤虎雄宅があります。
 登場人物
近藤 虎雄 会社員。元陸軍中尉。
近藤 律子 虎雄の妻。
近藤 八重 虎雄の母。
正木 奈津 虎雄の叔母。近藤家に居候。
正木 治子 奈津の娘。保母。25歳。
倉谷 玄武 近藤家に復讐を企てている男。
山口 清一 八重の亡夫の同僚。実家で療養中。