キルリアン 藤沢 周 新潮社
あらすじ
 一年前に亀ヶ谷にある貸家に引っ越してきた独身で初老の作家・寒河江俊和。過去に寺だった彼の住処は、元の住人たちが自殺をしたいわくつきの家だった。屋敷の中には大きな蜘蛛が居すわり、彼の心情も不安定になってきている。そして彼は次第にいくつかの回想や深い闇の妄想に飲みこまれていくのだが・・・。
『あの蝶は、蝶に似ている』改題。
 作品の舞台
 円覚寺・・・寒河江は、童雪老師と問答をします。
 亀ヶ谷・・・元「枝雲寺(架空の寺名)」だった寒河江の家があります。
 小袋谷・・・寒河江は小袋谷のマンションから亀ヶ谷に引っ越してきます
 北鎌倉・・・寒河江たちが通う居酒屋「椿」があります。
 化粧坂・・・寒河江は不思議な体験をします。
 登場人物
寒河江俊和 新潟生まれの作家。居酒屋「椿」の常連。
樫村 寒河江の飲み仲間。造形作家。「椿」の常連。
岩崎 居酒屋「椿」の主人。
セッちゃん 「椿」のアルバイト店員。
杉田 「椿」の常連。営業マン。
鏑木 「椿」の常連。長老的存在。
高安 「椿」の常連。
尾長 「椿」の常連。画家。元・美大の教授。
麻紀 「椿」の常連。
透子 「椿」の常連。
瀬木 寒河江担当の編集者。
浦木 新潟生まれで寒河江の幼なじみ。心療内科の開業医。
吉沢 朋子 寒河江と浦木の同級生。
朋子の亡母。過去に橋から投身自殺をしている。
童雪 円覚寺の老師。
飯酒盃 元「枝雲寺」の寺男。顔面麻痺。明治の中頃に井戸へ飛び込み自殺をしている。
亀ヶ谷の家の寒河江の前にいた住人。拒食症に悩み井戸へ飛び込み自殺をしている。