夢うつつの記 円地文子 文藝春秋
あらすじ
 冨美は小さい頃から父・万年に可愛がられ、どこへ行くときも一緒に連れて行った。そんな彼女はやがて父の影響もあって文学の道を目指す時、父の友人たちが彼女に影響を与えていった…。小説家・円地文子とその家族たちの生涯を描いた、彼女の遺作となった作品。(1987年作品)


 作品の舞台
 滑川・・・夏になると上田一家は知人宅で静養します。
 材木座・・・冨美は結婚後、半年ほど材木座で暮らします。
 登場人物
上田 万年 東京帝国大学講師。言語学者。寿・千代・冨美の父。
上田  鶴 万年の妻。寿・千代・冨美の母。旧姓・村上。
上田  寿 万年の長男。千代・冨美の兄。
上田 千代 万年の長女。寿の長妹。冨美の姉。
上田 冨美 万年の次女。寿の次妹。千代の妹。後の小説家「円地文子」。与四松の妻。
上田虎之丞 寿・千代・冨美の父方の亡祖父。万年の亡父。尾張藩士。病死。
上田  稲 寿・千代・冨美の父方の祖母。万年の母。寄席・芝居好き。旧姓・近藤。
村上 楯朝 寿・千代・冨美の母方の亡祖父。鶴の亡父。元・細川藩士。
浅岡  緑 万年の姉。益敏の妻。名前の読み方は「ろく」。
浅岡 益敏 緑の夫。八丈島の医師。
ともちゃん 万年の亡弟。ジフテリアで早逝。
上田 ぎん 虎之丞の妹。
近藤 正澄 稲の兄。日本陸軍共同団の用器画教師。
円地与四松 冨美の夫。「毎日新聞」記者。結婚当時はドイツ特派員。
落合 直文 上田家の書生。後に歌人・国文学者。
女中 上田家の女中。
新村  出 万年門下の学者。言語学者。
金田一京助 万年門下の学者。アイヌ語研究者。
金沢庄三郎 万年門下の学者。朝鮮語研究者。
幸田 露伴 万年の友人。本所に住む小説家。
幸田 延子 露伴の長妹。ピアニスト。
安藤 幸子 露伴の次妹。ヴァイオリニスト。
幸田 成友 露伴の末弟。歴史学者。
斎藤 緑雨 万年の友人。本所に住む文芸評論家。
永井 荷風 万年の友人。小説家。
阪本釤之助 荷風の叔父。貴族院議員。
高見  順 釤之助の庶子。小説家。
高楠順次郎 万年の友人。サンスクリット語研究者。
平山  信 万年の友人。天文学者。
斎藤  猛 万年の友人。東京大学英文学教授。
市川 三喜 万年の友人。牛込山伏町に住む東京大学英文学教授。
市川 晴子 三喜の妻。
大和 資雄 三喜の弟子。英文学者。
沢柳政太郎 万年の友人。教育家。
清沢 満之 万年の友人。仏教家。
小椋 晴二 万年の友人。旧制第一高等学校教師。
岡田 正之 万年の友人。駒込に住む漢文学者。
立 作太郎 万年の友人。東京帝国大学法学部教授。
万年の友人。東京帝国大学文学部事務長。
ヴァジル・ホール・ティンバレン 万年の言語学の師。東京帝国大学教授。
小野 秀雄 「毎日新聞」記者。後の新聞学研究者。冨美の仲人。
松本 道子 「講談社」の冨美担当編集。
広津 和郎 冨美の友人。小説家。
片岡 鉄兵 冨美の友人。小説家。
織本 貞代 冨美の友人。インテリアデザイナー。本所で「労働女塾」を経営。
小山内 薫 脚本家。
山本 安英 俳優。
村瀬 幸子 俳優。
滝  蓮子 俳優。