連作作品
複数の推理作家による連作の探偵小説にも、鎌倉が舞台となっているものもあります。ただ順番によっては、書き手の作家がまったく鎌倉に触れていない章もあったりします。
作品名 発行年
殺人迷路 1932
黒い虹 1934
女妖 1954
鎌倉の密室 1984
.
殺人迷路 森下 雨村
大下宇陀児
横溝 正史
水谷  準
江戸川乱歩
橋本 五郎
夢野 久作
浜尾 四郎
佐左木俊郎
甲賀 三郎
春陽文庫
あらすじ
 探偵の星田代二のもとに、一通の挑戦状が届いた。その内容は完全犯罪などありえないと主張する星田に対して、必ず完全犯罪を遂行するというものだった。そしてその挑戦状に記されていたとおり鎌倉に向かった星田は、材木座海岸の空き家で女性の死体を発見する・・・。


 作品の舞台
 材木座・・・材木座にある赤い屋根の空家で、女性の死体が発見されます。
 登場人物
星田 代二 探偵小説家。
津村 雑誌記者。星田の飲み仲間。
村井 「あずま日報社」新聞記者。星田の飲み仲間。
寺尾 津村の同僚記者。
戸田 「あずま日報社」新聞記者。
三田村 「あずま日報社」新聞記者。
宮部 京子 三映キネマのスター女優。
如月 真弓 三映キネマの女優。
山川牧太郎 7年前、詐欺事件をおこしたおたずね者。
浦部伝右衛門 山川の詐欺事件の被害者。
浦部 俊子 伝右衛門の娘。
綾子 ホステス。
二木 検事。
正岡 警視庁警部。
.
黒い虹 江戸川乱歩
水谷  準
大下宇陀児
森下 雨村
海野 十三
甲賀 三郎
春陽文庫
あらすじ
 鎌倉の大仏裏の空き家で、棺桶に詰められた母子の死体が発見された。殺されていたのは鎌倉に住む高貴な夫人・河合涼子と幼い息子の冬雄だった。さらに涼子たちの追悼式を境に、次々と涼子の同窓生の命が狙われていく事件がおこってしまう・・・。


 作品の舞台
 大仏裏・・・大仏裏にある空き家で、涼子母子の死体が発見されます。
 登場人物
河合 涼子 鎌倉のブルジョア夫人。
河合京一郎 涼子の夫。
河合 冬雄 京一郎と涼子の息子。4歳。
京極りん子 涼子の同窓生。
秋元千加子 涼子の同窓生。府立第×女学校教師。
花籠マキ子 涼子の同窓生。タイピスト。
矢吹加世子 涼子の同窓生。
木村もと子 涼子の恩師。
相沢 照男 涼子の追悼式の弔問客。
海老塚 涼子の追悼式の弔問客。
大場 府立第×女学校用務員。
沢田美智子 府立第×女学校の生徒。
姉や 河合家の使用人。
竹や 河合家の使用人。
今井 医師。
お島 千加子のアパートの管理人の細君。
矢吹 賢三 大日本××会社重役。加世子の父。
矢吹 順三 加世子の夫。
とみ 矢吹家のお手伝い。
田代隆太郎 警視庁捜査課の若手刑事。
野口 元捜査課刑事。田代の先輩で良き相談相手。
.
女妖 江戸川乱歩
香山  滋
鷲尾 三郎
春陽文庫
あらすじ
 生きていくことが嫌になった会社員の浩一は、唯一の親類の伯父のヘソクリ10万円を持ちだし、一人旅に出ていた。そして所持金もなくなり自殺を考えるようになった彼の前に一人の女が現れる。ヒトミと名乗る彼女は、孤独感に満ち溢れた浩一を自分のアパートに連れていくのだが・・・。


 作品の舞台
 鎌倉の大仏・・・胎内回帰願望がある浩一は、大仏の胎内を見た時の感覚が忘れられず、何度も鎌倉に行きます。
 登場人物
青山 浩一 自転車卸売りの店員。
相川ヒトミ 麹町一口坂に住む謎の独身女。
長尾 大助 傷害前科2犯の与太者。28歳。
長尾 マヤ 大助の妹。20歳。
杏花 西銀座の中華料理店「杏花園」の女店主。支那人とフィリピン人の混血児。
東山 軍平 朝日相互金融商会社長。ヒトミのパトロン。
名和 栄三 名和証券社長。
栄三の妻。
みどり 三原橋の映画館の女サンドイッチマン。
サンドイッチマン 常に浩一の周辺に現れる謎の男。
伯父 浩一の唯一の親類。
.
鎌倉の密室 渡辺 剣次
松村 喜雄
講談社文庫
あらすじ
 雑誌編集者の日野かな子は、ふとしたことから画家の葛西史郎の自宅を訪ねることになったが、そこで妻の涼子とともに密室状態のアトリエの中で史郎の死体を発見した。警察で事情聴取を受けたあと、かな子は義兄の明彦に相談をするのだが・・・。


 作品の舞台
 やぐら・・・画家の葛西史郎は、やぐらをアトリエ代わりに使っていました。
 巨福呂坂・・・葛西史郎邸があります。
 登場人物
日野かな子 女性月刊誌「エレガンス」編集員。25歳。
安土 明彦 中央日報社会部記者。
安土 益代 明彦の妻。かな子の姉。
白滝  譲 鎌倉在住のノンフィクション作家。
葛西 史郎 鎌倉在住の風変わりな画家。
葛西 涼子 史郎の妻。
赤倉 一平 西銀座の「ギャラリー羅馬」の店主。