復讐 三島由紀夫 集英社文庫
あらすじ
 海沿いの洋館に住む近藤家は、殻に閉じこもった生活をしていた。家庭内も八重・虎雄親子と居候の奈津・治子母娘の仲があまりよくない。そんな近藤家の全員が恐れる男・倉谷玄武を海岸で見かけたと律子が言い出したため、家庭内の雰囲気が変わってきた・・・。(1954年発表)

 作品の舞台
 鎌倉・・・近藤虎雄が住む洋館があります。
近藤家の所在地に関して、具体的な地名はこの作品に出てきません。
ただ、作品中の倉谷玄武を「江ノ島電車のなかで」見たとか、近藤家の道は「海水浴場へゆく帰り道」などの記述から
由比ガ浜や長谷にあった可能性があります。(「」内は原文のまま)
 登場人物
近藤 虎雄 会社員。元陸軍中尉。
近藤 律子 虎雄の妻。
近藤 八重 虎雄の母。
正木 奈津 虎雄の叔母。近藤家に居候。
正木 治子 奈津の娘。保母。25歳。
倉谷 玄武 近藤家に復讐を企てている男。
山口 清一 八重の亡夫の同僚。実家で療養中。