鎌倉のミステリー(その6)
鎌倉を舞台にしたミステリ作品です。
作品名 発行年
恐怖のヨコハマ 第2話 小説家小栗三平のスキャンダル 1956
狼どもは飢えている 1960
夜に追われて 1970
アルハンブラの想い出 1976
五人のマリア 1979
赤い蝋人形 1979
殺意のポロネーズ 1980
琥珀のエロイカ 1983
能登・泣き砂の殺意 1985
葬られた遺書 1985
尼僧妖殺 1986
蛇刹師・夕子 1986
土壇場にハリー・ライム 1987
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恐怖のヨコハマ
第2話 小説家小栗三平のスキャンダル
北林透馬 学風書院
あらすじ
 小説家の小栗三平から助けを求める連絡を受けた横浜市警は、彼の自宅で三平の愛人・沢見せい子の死体を発見した。死体の発見者は別の愛人・青葉可恵だった。警察は男女のもつれが原因による可恵の犯行として捜査を進めるのだが、別件の捜査をしていた新聞記者・吉川は取材の結果、せい子の夫を見つけることに成功した…。

 作品の舞台
 鎌倉山・・・三平は鎌倉山に住む元女優の夫人と熱海へ遊びに行きます。
 登場人物
小栗 三平 横浜市中区鷺山に住む小説家。女好き。
小栗麻利子 三平の妻。進駐軍関係のクラブのマネージャー。
沢見せい子 三平の愛人。横浜市鶴見区東寺尾に住む「横浜タイムス」婦人部記者。
青葉 可恵 三平の愛人。21歳。中区山下町にある「青葉洋裁店」を姉と経営。
夫人 三平の愛人。鎌倉山に住む夫人。
加山喜四郎 せい子の夫。川崎市にある「タケヤマ製薬」の技師。
せい子の父。「タケヤマ製薬」の重役。
吉川 「横浜タイムス」社会部記者。
モリソン夫人 中区本牧に住む「青葉洋裁店」の客。
羽田 麻利子が経営するクラブの副支配人。
深見 横浜市警捜査一課強力犯係長。
奈良 横浜市警捜査一課強力犯係班長。警部補。
司法主任 横浜市警捜査一課強力犯係警部補。
松井 横浜市警巡査。
小島 横浜市警巡査。
友田 横浜市警巡査。
村木 横浜市警鑑識課写真班長。
藤田 神奈川県警犯罪科学研究所長。解剖医。
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狼どもは飢えている 宮下幻一郎 浪速書房
あらすじ
 西銀座にある探偵事務所に実業家・加賀山大蔵から後妻・美詠子の身辺調査を依頼された。一方事務所の探偵・野川庄次は謎の女から身辺調査の結果を先に教えてくれないかと誘惑された…。

 作品の舞台
 長谷・・・美詠子の実家があります。
 由比ガ浜・・・万里が乗るゴムボートに穴があけられる事故がおきます。
 七里ガ浜・・・2人の水死体が発見されます。
 登場人物
高村 信哉 西銀座にある「高村探偵事務所」の所長。昨年法科を卒業。
野川 庄次 「高村探偵事務所」調査員。信哉の大学の同級生。
原島 六郎 「高村探偵事務所」調査員。信哉の大学の同級生。
純子 「高村探偵事務所」の階下にある喫茶店の女給。
高村 綾乃 正樹・信哉・梢の母。50歳。
高村 正樹 信哉の兄。35歳。
高村加奈子 正樹の妻。28歳。
高村  梢 信哉の妹。
早川  進 綾乃の末弟。30歳。
加賀山大蔵 「日本通商」社長。世田谷区郊外に住む。
加賀山美詠子 大蔵の後妻。27歳。実家は鎌倉市長谷。
加賀山万里 大蔵の先妻の娘。20歳。
キヨ 加賀山家の女中。
慎介 美詠子の兄。
佐伯  徹 美詠子の前夫。土木技師。
黒山 重吉 飯場の親分。
三崎 竜一 重吉の手下。
サブ 池袋界隈で活動する愚連隊。
マダムX 東銀座にあるナイトクラブ「Z」のマダム。
秀蘭 「Z」の中国人ホステス。
大蔵の密輸仲間。
大谷 警視庁捜査2課刑事。
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夜に追われて 結城昌治 文藝春秋
あらすじ
 大学の友人で法科の助教授の秋山が、弁護士のわたしのもとを訪ねた。彼の妻・光江が音信不通となって3日ほど経つというのだ。そこでわたしは彼女の身辺調査をしたが意外な過去が見つかった…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・光江はモーテル「シーホーク」から鎌倉へ向かって歩きます。
 登場人物
わたし 弁護士。
秋山 わたしの大学時代の友人。大学の法科研究室の助教授。
秋山 光江 秋山の妻。銀座にあるバー「シモーヌ」の元・ホステス。源氏名は「ミカ」。
光江の父。カリエスのため東村山にある療養所に入院中。
光江の亡母。7年前に死亡。
景子 光江の友人。
園部 秋山・わたしの大学時代の友人。商社マン。半年前に交通事故死。
マダム 「シモーヌ」のマダム。
美容師 「シモーヌ」の常連。光江の太客。
水谷嘉久次 元・光江の愛人。33歳。江東区深川に住む造船会社の社長。
辻井 興信所の調査員。
マネージャー 江の島のドライブ・イン(モーテル)「シーホーク」のマネージャー。
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アルハンブラの想い出 石井竜生・井原まなみ 文春文庫
あらすじ
 横浜市・陽光台に住の公営団地に住む14歳の江口徹は脳性小児まひで横臥生活を送り、共働きの両親がいない日中は祖母と静かに過ごしている。ある日山手の住宅地に住む作曲家が殺され、その容疑者のひとりに江口家の階上に住む無名歌手・瀬戸アキラが浮上した。アキラは犯行時にギターをかき鳴らす音と出前で食べた寿司の空き桶をアリバイの証拠として主張するが、徹はある矛盾点を指摘する…。
【第15回「オール讀物」推理小説新人賞受賞作】

 作品の舞台
 鎌倉・・・田中美樹の家があります。
 登場人物
江口  徹 横浜市磯子区洋光台の公営団地の1階に住む少年。14歳。脳性小児まひで横臥生活。
徹の父。フランス料理店のチーフコック。
徹の母。会社の経理係。旧姓・高田。
高田 ハナ 徹の母方の祖母。日中は徹の世話をする。
瀬戸アキラ 江口家が住む公営団地の2階に住む無名歌手。謙介の弟子。本名・浜田二郎。
原田八重子 江口家が住む公営団地の3階に住む主婦。課長夫人。噂話が大好き。アキラの部屋の真上に住む。
斎藤夫人 江口家が住む公営団地の4階に住む主婦。
息子 斎藤夫人の息子。受験生。
稲沢 謙介 中区山手に住む作曲家。39歳。妻と別居し高橋家に同居。
高橋千鶴子 謙介の愛人。29歳。旅行会社社員。
高橋 和雄 相模原市に住む千鶴子の兄。33歳。
稲沢 文子 謙介の妻。41歳。実家の松戸市に住み謙介と別居。
阿部  貢 横浜・山手地区の新聞配達員。25歳。
宇田 文雄 無名の演歌師。22歳。謙介の弟子。
アキラの亡母。今治市で一人暮らし。今夏脳卒中で死亡。
田中 美樹 鎌倉市に住むP女子学院高校1年生。16歳。謙介にスカウトされた少女。
尼僧 P女子学院高校に勤めるオランダ人尼僧。
市村 横浜のミュージシャン組合のリーダー。
ツルさん ベテランのトランペット奏者。
管野 道治 岐阜生まれの青年ギター奏者。27歳。
短大生 謙介にスカウトされた経験を持つギャル短大生。
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五人のマリア 川辺豊三 角川文庫
あらすじ
 H製薬に勤める早野次郎は直属の上司・青木芳雄の次女・よし子と婚約するが、彼のもとに「よし子は結婚相手としてふさわしくない」と何者かから手紙が届く。実はよし子はお嬢さま学校・S学園の仲良し5人組「マリヤ組」のひとりで、大金が必要なので身売りをする娘たちだった…。

 作品の舞台
 由比ガ浜・・・与三郎は息子たちと海水浴に行きます。
 登場人物
青木 芳雄 H製薬営業部長。
青木よし子 芳雄の次女。都内のお嬢様学校・S学園の学生。「マリヤ組」のひとり。
早野 次郎 H製薬営業部員。芳雄の部下。よし子の婚約者。
小川与三郎 M重工業総務部長。47歳。
長男 与三郎の長男。高校生。
次男 与三郎の次男。中学生。
洲崎 弥生 S無線工業社長の長女。S学園の学生。「マリヤ組」のひとり。
伊藤三枝子 Yドック専務の長女。S学園の学生。「マリヤ組」のひとり。
松下ともえ H登山鉄道重役の三女。S学園の学生。「マリヤ組」のひとり。
沢田 貞子 銀座沢田屋社長の長女。S学園の学生。「マリヤ組」のひとり。
三宅とし子 貞子の小学時代の友人。ストリートガール。
沢村 正男 次郎の大学時代の友人。法律事務所に勤務。
女中 伊藤家の女中。
書生 伊藤家の書生。
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赤い蠟人形 山田風太郎 桃源社
あらすじ
 昭和2×年7月、大船駅の爆発事故により被害を受けた少女雑誌編集者の福島弘は、ようやく傷も治り現場復帰をすることができた。しかし彼は火や煙を見ると怖気づくようになってしまった。そんな弘は鎌倉にある担当の作家・西条䔥子邸で彼女の妹夫婦の揉め事に巻き込まれ、妹・直子の放火自殺をする姿を目にしてしまう・・・。

 作品の舞台
 鎌倉・・・西条䔥子邸があります。
 大船駅・・・事故の被害者は駅構内の倉庫で手当てを受けます。
 登場人物
福島  弘 少女雑誌『女王』の編集者。27歳。䔥子の担当編集。
西条 䔥子 鎌倉に住む少女小説家。
須田 直子 青山に住む䔥子の妹。41歳。
須田槇之助 直子の夫。44歳。画家。
宇井 滋子 䔥子の秘書。
田中 作蔵 西条家の下男。61歳。
運転手 西条家の運転手。
細谷 弘の同僚。
少女 不良少女。スリ。
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殺意のポロネーズ 渡辺淑子 蝸牛社
あらすじ
 長野・蓼科で会社重役の草深京三の腐乱死体が発見された。さらに死体を調べるとピストルで撃たれた跡が検出された。女探偵・岸川ますみは以前彼の身辺調査をしたことを覚えていたため、事件の謎に興味をもった…。

 作品の舞台
 稲村ガ崎・・・池沢早苗宅があります。
 極楽寺・・・極楽寺坂切通し下で死体が発見されます。
 登場人物
速水多加子 銀座にある探偵社「極東シークレットサービス」社長。40歳。未亡人。ますみたちの大学の先輩。
片桐 弓子 「極東シークレットサービス」副社長。37歳。多加子の大学の後輩。多加子と同居。
岸川ますみ 「極東シークレットサービス」社員。26歳。多加子の大学の後輩。世田谷区経堂に住む。
大谷 桃代 「極東シークレットサービス」事務員。多加子の大学の後輩。夜間大学生。
宮坂 東調布署捜査課刑事。ますみの友人。
ママ 世田谷区下北沢の飲み屋「瓢箪」のママ。宮坂・ますみの顔なじみ。
草深 京三 丸ノ内にある「京栄商事」の理財部長。43歳。杉並区高円寺に住む。
草深 道枝 京三の妻。42歳。
池沢 早苗 京三の愛人。26歳。鎌倉市稲村ガ崎に住む古典舞踊白鷺流名取「池沢 千」。
島  哲也 早苗の友人。25歳。左翼団体の構成員。
轟  逸平 早苗の恋人。27歳。SF漫画家。本名・西山逸平。ますみの高校時代の友人。
黒崎 正吾 「東北食品」経理課主任。
竹内 吏郎 「京栄商事」理財部出納課長。40歳。大田区東雪谷に住む。衿子の愛人。
元木 敬作 元「京栄商事」理財部出納課嘱託。2年前に退職。小平市に住む。
加納 衿子 「京栄商事」文書課員。港区南青山に住む。
亘 智恵子 「京栄商事」文書課員。
元木 久子 敬作の妻。
元木みゆき 敬作の娘。22歳。小児麻痺で車椅子生活。
岸川 伸行 ますみの父。63歳。大手既製服メーカーの顧問。
岸川 峰子 ますみの母。
岸川  亨 ますみの弟。大学4年生。
坂口 吉蔵 元木家の隣人。
坂口 八重 吉蔵の妻。40歳。
志村 「極東シークレットサービス」の依頼客。60歳。
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琥珀のエロイカ 赤羽 尭 光文社
あらすじ
 七里ガ浜沖で鎌倉に住む清掃事務所職員・沼田豊治の溺死体が見つかった。豊治の友人・氏原弘隆や豊治の恋人・晴山真素美は彼の死に疑問をもったが、彼らが調べていくとその裏にはソビエト連邦がロシア帝国完全復元の使命のもと、「エカテリーナ女帝の琥珀の部屋」の秘密を探すために、関係者たちのもとへKGBから工作員を送っていることを知った…。

 作品の舞台
 小町通り・・・弘隆が経営する「氏原ミュージックショップ」や酒場「貌佳草(かおよぐさ)」があります。
 鎌倉宮・・・鎌倉宮の裏手に豊治が住むアパートがあります。
 七里ガ浜・・・七里ガ浜沖で豊治の死体が発見されます。
 由比ガ浜・・・真素美は由比ガ浜と稲村ガ崎の間にあるホテルに宿泊します。
 長谷・・・ラド―が宿泊する「旅館箱崎」があります。
 登場人物
氏原 弘隆 鎌倉市小町にある「氏原ミュージックショップ」店主。新鎌倉交響楽団のフルート奏者。
沼田 豊治 鎌倉市清掃事務所職員。二階堂に住む弘隆の友人。新鎌倉交響楽団のヴィオラ奏者。
晴山真素美 豊治の恋人。ブティック店員。
レナーテ 豊治の元婚約者。ドイツ人。炭鉱の監督官の娘。KGBに殺される。
朝河 雅子 「氏原ミュージックショップ」の従業員。音楽短大卒。
K 「氏原ミュージックショップ」の客。新鎌倉交響楽団のフルート奏者。市内に住む開業医。
角田 弘隆の友人でボート仲間。
氏原 文夫 弘隆の亡父。日本画家。
氏原 初乃 弘隆の母。茶道千家流家元。
女将 小町にある酒場「貌佳草」の女将。
芝本 賢一 弘隆の大学時代の友人。デュッセルドルフ駐在の商社マン。
男沢 三郎 弘隆の知人。エッセンに住む炭鉱労働者。
男沢モニーカ 三郎の妻。ドイツ人。
ヤン・ベルジン KGBレニングラード支部中佐。
ラド― ベルジンの部下。KGB工作員。
山田 私服刑事。KGBの手先。
ジダーノフ ソビエト共産党最高指導者。
ドードロフ KGB偽情報課幹部。
ハインツ・ルードヴィヒ・
シュルホルン
ミュンヘンに住む無職の男。
カロリーネ・シュペール ライプツィヒに住む女性。
クロードヴィヒ・ルドルフ・ミューラー ライプツィヒに住む男性。国営書籍出版社の社員。
早川 札幌中央署刑事。
野々村 札幌中央署刑事。
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能登・泣き砂の殺意 阿井渉介 講談社
あらすじ
 福島県の夏井川渓谷で男性の水死体が発見された。死因は絞殺で死後1~2ヶ月ほど経っていた。被害者の上着のポケットに林野庁職員・沢田の連絡先が書かれた紙切れが入っていたため、警察は沢田を伺うのだが彼には全く身に覚えがないことだった…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・鴻二と夏子は鎌倉の美術館へ行きます。
 登場人物
沢田 鴻二 都下・国分寺の独身寮に住む農水省林野庁の職員。28歳。
島岡 夏子 鴻二の恋人。阿佐ヶ谷に住む大学の民俗学研究室の助手。青森生まれ。
河野純一郎 大学の農学部教授。鴻二の指導教授。
三宅 大学の民俗学研究室の教授。夏子の指導教授。
須川 大学の民俗学研究室の教授。三宅の友人。
沢田 修造 鴻二の父。和歌山市に住む元・代議士。
鴻二の亡兄。鴻二が3歳の時に死亡。
島岡清一郎 夏子の亡父。
島岡 ハツ 夏子の母。青森市にある小さな文房具店の店主。
島岡 礼二 夏子の叔父。
芝中 大作 清一郎の友人。和歌山県選出の代議士。
庄田 港区赤坂にある「東都興信所」の所長。50歳。
関川 行男 串本町に住む清一郎の俳句仲間。句誌の主宰。
西浜 正三 繊維会社の営業マン。大津生まれ。
鈴木功次郎 静岡・水窪に住む老人。
山波 静子 元・風俗嬢。
川北 悦子 元・風俗嬢。
稲垣 理恵 元・風俗嬢。
中村 法泰 滋賀県堅田にある安泰寺の住職の息子。
久米 太助 富山の薬売り。58歳。
佐藤 福島県警刑事課刑事。
井村 福島県警刑事課刑事。
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葬られた遺書 井沢元彦 光文社
あらすじ
 「新文学の会」主催の「新文学ホープ賞」の選考基準について大御所文芸評論家の安本と揉めていた選考委員長で若手文芸評論家・鶴田康夫は、17歳の新進作家・朝倉美奈子に賞を授与した。しかしその2ヶ月後美奈子が病死すると、その受賞作が大正時代にかかれた作品の盗作ではないかと疑惑が持ち上がってきた…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・朝倉美奈子の家があります。
 登場人物
鶴田 康夫 若手文芸評論家。「新文学ホープ賞」の選考委員長。
安本寅太郎 大御所文芸評論家。
朝倉美奈子 17歳の新進作家。「ロスト・ラブ85」で「新文学ホープ賞」を受賞。鎌倉市在住。
朝倉 建造 美奈子の父。
岩井 ハル 朝倉家の女中。
吉田  欣 新進作家。
紅屋 一夢 新進作家。
小西瑠璃子 新進作家。
田宮 百々 新進作家。
谷  昭一 「新文学ホープ賞」の選考委員。
鎌平  裕 「新文学ホープ賞」の選考委員。
山本 令二 長岡市にある「久野清明記念館」館長。
勝倉  武 横浜市に住む文芸ファン。
久野 清明 大正時代の新感覚派の人気作家。
春岡 圭造 大正時代の大御所作家。
春岡りゅう子 圭造の娘。清明と恋仲。
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尼僧妖殺 赤松光夫 徳間ノベルス
あらすじ
 桂月院の尼・妙春は、銀行員だった夫・島崎潤次を通り魔事件で亡くし世を儚んで尼になったものの、檀家の法要で知り合った男と恋におち邪淫戒の戒律を破り、師である慶月尼に破門された。そこで帰る場所も無くなった妙春は、夫を亡き者にした男を探す旅に出ると決意したが…。

 作品の舞台
 北鎌倉・・・妙春は山懐の庵寺で読経三昧の日々を過ごします。
 登場人物
妙春 桂月院の尼。28歳。夫を通り魔事件で亡くし出家。
慶月尼 桂月院の院主。妙春の仏の師。
島崎 潤次 妙春の亡夫。通り魔事件に遭遇し死亡。
上村 冬樹 妙春の恋人。証券マン。昨年妻が死亡。
黒川 真平 「黒川商事」社長。証券界でも知られる奈良・吉野の山林王。
桂  三郎 「黒川商事」番頭格。
山川 太吉 台東区浅草にある「神農会山川組」の組長。
欽也 「神農会山川組」の構成員。太吉の子分。
黒岩玄一郎 「黒岩連合」総裁。大田区田園調布に住む。
瀬川 竜一 「黒岩連合」総裁代行。
千葉 英吉 「黒岩連合」傘下の「千葉組」組長。
青柳流一郎 「千葉組」構成員。38歳。英吉の子分。
西川 竜蔵 関西の新興ヤクザ「西川組」組長。
江田 三吉 「西川組」若頭。
南  美紀 竜蔵の愛人。
南  耕次 美紀の弟。
結城 三郎 青函トンネル工事の土木作業員。
木下 啓造 元・高校教師。「神農会山川組」とサラ金に追われる。
生野 悟桐 京都伏見にある醍醐寺木喰庵の老庵主。74歳。
池島 慎次 悟桐の息子。
村瀬 千葉・桐山市長。
良美 キーセン。売春婦。
南  良夫 大阪府警捜査4課警部。美紀・耕次の父。
南 世津子 良夫の妻。美紀・耕次の母。
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蛇刹師・夕子 志茂田景樹 徳間ノベルス
あらすじ
 湯島家は代々蛇の羅刹「蛇刹」の呪法を伝承する家系で現当主の湯島夕子は善悪どちらにもその霊力を発揮して問題を解決してきた。そんな彼女のもとには今日も権力者たちがうわさを聞きつけて依頼に来るのだが…。

 作品の舞台
 鎌倉・・・夜明けの浜辺でマリは夕子に蟲惑されます。
 登場人物
湯島 夕子 港区西麻布に住むフレンチレストラン経営者。26歳。裏の顔は予言師、セラピスト、蛇刹師。
湯島 朝子 夕子の母。蛇刹師。
山岸アキラ 夕子の恋人。売れないフォーク歌手。
カート 夕子の用心棒。赤坂を中心に出没する黒人グルーピー。
赤西 博之 中野区鷺宮に住む製薬会社重役。
後妻 博之の後妻。竜雄の祖母。元・竜雄の家庭教師。国立○女子大学卒。
赤西 竜雄 博之の長男。20歳。大学2年生。
ひろ美 竜雄の恋人。18歳。不良グループ「レディース東京白虎隊」メンバー。
ひろ美の母。42歳。私立幼稚園の保母。母子家庭だが親子仲が悪い。
修治 「東京白虎隊」のリーダー格。暴力団「蜷川会」系の傘下組織の構成員。
マサ 「東京白虎隊」の幹部。
中山 友春 「蜷川会」系の暴力団「鉄矢組」の幹部。
星院 友翁 目白に本部がある「大和星院華道」の家元。72歳。
星院香理代 友翁の長女。28歳。「大和星院華道」本部師範。植物人間の状態。
星院 沙代 友翁の次女。26歳。ファッションデザイナー。
星院比呂美 友翁の三女。24歳。アナウンサー。
庭番 星院家の庭番。元・炭鉱の工夫。
星院 常之 「大和星院華道」横浜支部総師範。49歳。3年前に妻が死亡。多角経営する実業家。
山口 文彦 比呂美の恋人。私立医大病院の内科医。
マケド・ドーヨン 「ハイチ大魔術団」の魔術師。
ベティ 「ハイチ大魔術団」の踊り子。
小月 鈴子 人気ファッションモデル。19歳。
友河 君行 一流人気デザイナー。鈴子の知人。
穂高 靖友 港区高輪に住む大手予備校オーナー。52歳。
穂高 靖雄 靖友の長男。20歳。大学中退後、無職。
貝原 律輔 ニューリーダーの呼び声高い代議士。
遠山香代子 墨田区両国に住む喫茶店のウエイトレス。
海高山 両国にある「大雪山部屋」所属の幕下力士。香代子の恋人。
鳳  明彦 パブリシティ関係のプランニンググループ「鳳企画」の主宰。八丈島出身。
鳳  ふみ 明彦・靖子・怜子の母。54歳。
鳳  靖子 明彦の長妹。八丈島にあるホテルの女将。
鳳  怜子 明彦の次妹。八丈島にあるブティック経営者。元・ミス八丈島。
伊藤 靖子の夫。ホテルのマネージャー。
野川 善三 港区高輪に住む資産家。72歳。元「野川ビル」会長。
野川 善彦 善三の長男。33歳。「野川ビル」社長。
丹海 野川家の用心棒。
鬼木 令子 銀座のクラブのホステス。
佐川 行海 山形・銀山温泉にある延能寺の住職。
佐川 玄海 行海の亡父。延能寺前住職。数日前に死亡。
高橋 境円 延能寺の雲水。
宗休 延能寺の雲水。
栄泉 延能寺の雲水。
小金井 清 宗教評論家。夕子の知人。
木島 まや イタコ師。
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土壇場にハリー・ライム 典厩五郎 文藝春秋
あらすじ
 東都新聞社文化部長・月田春之が麻布十番の雑居ビルの屋上から投身自殺をした。春之は何故か女物のパラソルを手にして飛び降りた。彼のことを慕う文化部記者・真木光雄は、春之が部長職を退職し実家の和歌山で静かに暮らすことを聞いていたため自殺したことに疑いをもった…。
【第5回サントリーミステリー大賞受賞作】

 作品の舞台
 鎌倉・・・村泊の母の家があります。
 登場人物
真木 光雄 「東都新聞社」文化部記者。26歳。愛知生まれ。
月田 春之 「東都新聞社」文化部長。45歳。光雄の上司。和歌山県御坊市生まれ。新宿区初台に住む。
山添 直二 「東都新聞社」文化部記者。35歳。
藤崎明日香 「東都新聞社」文化部記者。25歳。実家は上野にある老舗漬物店。
福森 謙作 「東都新聞社」文化部記者。35歳。春之の死後、部長代理。
村泊玄一郎 「東都新聞社」文化部嘱託記者。音大ピアノ科出身。
千本松徳三郎 「東都新聞社」社長。
千本松一郎 「東都新聞社」販売部長。徳三郎の長男。
奥平 雅晴 「東都新聞社」専務取締役。三河生まれ。
田所 勇平 「東都新聞社」編成局長。
和仁  実 「東都新聞社」運動部プロ野球担当記者。
渡会 「東都新聞社」政治部記者。
高見沢絵里 「東都新聞社」受付嬢。
月田 和子 春之の妻。高校生の長女・中学生の長男・幼稚園児の次女の3人の子持ち。
市橋富美雄 春之の同人仲間。千代田区お茶の水にある「関東中央病院」の院長。同人誌「文芸東京」の主宰。
梅野  武 京都の私大の哲学科教授。光雄の指導教授。
池  愛子 中央区築地にある小料理屋「羽子板」の女将。
郡司 周造 「首都タイムス」記者。元「週刊真相」副編集長。
石田 「大陽新聞」高松支局長。
江奈 忠彦 「太陽新聞」主幹。
老人 横須賀市にある「知念洋品店」の主人。
久米山すみれ子 横須賀・どぶ板通りにあるバー「パンジー」のママ。
久米山紫子 和歌山・美浜町に住むすみれ子の母。
花丸 銀助 紫子の想い人。ロサンゼルス郊外パサディナに住む。
西山 御坊市にある「西山不動産」社長。
チャールズ・ムラカミ マンフレッド資金の留学生。
中沢米次郎 T大学教授。
白鳥 卓己 U学院大学教授。
松宮清太郎 作家。
清瀬 一郎 元・衆議院議長。
轟 夕起子 宝塚女優。
トンちゃん 印刷所の植字工。
ヒロちゃん 港区赤坂にある寿司店「花寿司」の店員。
ウィリアム・スミス 在日米国大使館文化担当補佐官。
鎌倉に住む村泊の母。
親父 港区六本木にある飲み屋「おかめ」の主人。
沢木 六本木署捜査課警部補。
石清水 六本木署捜査課部長刑事。