幻影城掲載作品
1975年から約5年間発行された推理小説雑誌「幻影城」に掲載された作品です。
作品名 掲載年月
就眠儀式 1975.6
お精霊舟 1976.3
善の決算 1976.6
実朝の首 1976.8
二重の陥穽 1977.1
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お精霊舟 宮田亜佐 幻影城
あらすじ
 昨年夏、会社の研修でM市に訪れた志田は、浜辺に打ち上げられていた藁舟を発見した。藁舟には人間の毛髪もついており、彼は何かの供養に使われたものではないかと考えていた。しかし彼はそのことが原因で不眠症となり、会社に休暇届を出し休養をとることになったのだが…。


 作品の舞台
 鎌倉・・・昔M市では土葬のほか、死体を沖に流す風習があり、その仏が鎌倉や逗子に漂着しては大変な騒ぎになりました。。
 登場人物
志田 洋介 大江商事(株)販売部営業課主任。
志田 敬子 洋介の娘。中学2年生。
志田百合子 20年前、腸チフスで死んだ洋介の妹。享年12歳。
村山甚兵衛 M市を差配する村山一家の親分。
矢崎 G漁業協同組合主事。
住職 M市にある最寛寺の住職。
主人 M市の民宿「洋海荘」の主人。
洋子 スナック「風」のウエイトレス。
沼田 サト M市に住む老婆。昨年春に死亡。
沼田 博人 サトの一人息子。戦死。
西堀 三郎 博人の戦友。山口県在住。
福島 益一 博人の上官。
伊之助 チンピラ。
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善の決算 日影丈吉 幻影城
あらすじ
 8月22日の昼間、洋画家の汀田逸城が自宅のアトリエで変死を遂げた。警察は当初自殺の線で捜査をすすめていたが、密室状態の現場や遺体の状況から他殺の線に変更していった。やがて、捜査線上にある容疑者が浮かび上がってくるのだが…。


 作品の舞台
 北鎌倉・・・洋画家の汀田逸城邸があります。
 鶴岡八幡宮・・・みさをは事件当日、北山八幡の矢場で弓の稽古をしていました。
 登場人物
春日 検事。
田地切 検事。春日の先輩。
汀田 逸城 洋画家。
汀田みさを 逸城の妻。旧姓・志能。
汀田 溪楓 逸城の祖父。著名な日本画家。
汀田 逸代 逸城の母。
野村 たか 汀田家の女中。
狛木 伊作 彫刻家。国際美術集団会員。
狛木 美子 伊作の妻。
狛木 光子 伊作の娘。
南条 医者。
神奈川県警警部。
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実朝の首 宮田亜佐 幻影城
あらすじ
 地方紙記者の伊東は、M市の市役所職員の山崎からある情報をを知らされた。先日彼が古物商から手に入れたどくろが、源実朝の首だというのだ。山崎がいわくつきの人物という噂も手伝って、伊東はその情報の信憑性に疑念を抱くが、社の方針もあり社会面のシリーズ記事として掲載することになった。すると、山崎にどくろを譲った古物商・大久保が首を切り落とされる事件がおきる…。


 作品の舞台
 鶴岡八幡宮・・・山崎が古物商から譲ってもらったどくろは、鶴岡八幡宮で暗殺された源実朝の首です。
 登場人物
伊東 K新聞社記者。
山崎 高男 М市役所計画部庶務課主任。郷土史に強い。
大久保清松 古物商。78歳。
大久保タキ 清松の妻。60歳。
鈴木 A新聞社記者。
Y市立大学助教授。
田中 М署刑事。
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二重の陥穽 和氣律次郎 幻影城
あらすじ
 泥棒稼業で生計をたてる砂田は仲間のお初とともに、鎌倉に住む資産家・村田森之助の屋敷を狙うため、下男と女中として潜りこんでいた。ある夜、村田邸の近所にある長谷川邸を狙った砂田は、仕事でへまをしてしまい逃げる途中に誤って村田を殺してしまう。村田はほとんど人前に姿を現さない人物だったので、砂田は自分と村田と入れ替わることを思いつくのだが…。


 作品の舞台
 材木座・・・村田森之助邸があります。
 登場人物
砂田伊三郎 泥棒稼業で生計をたてる男。
お初 下谷に住む砂田の泥棒仲間。
西竹 次郎 福岡に住む砂田の泥棒仲間。
村田森之助 鎌倉に住む資産家。現在は隠居の身。
長谷川 鎌倉に住む資産家。
瀬戸 鎌倉署刑事。
鎌倉署刑事。
園部 鎌倉署刑事。
鎌倉署刑事。